人中(読み)ジンチュウ

デジタル大辞泉の解説

じん‐ちゅう【人中】

多くの人のなか。ひとなか。
人の体内。
鼻と口との間にある。水溝穴(すいこうけつ)。にんちゅう

にん‐じゅう〔‐ヂユウ〕【人中】

人間界。
「最後の身に―に生まれて」〈今昔・一・二二〉
じんちゅう(人中)

にん‐ちゅう【人中】

上唇中央のくぼみ。じんちゅう。
にんじゅう(人中)1」に同じ。
「―、天上の善果を受く」〈謡・江口

ひと‐なか【人中】

大勢のいる場所。衆人の中。また、世間。「人中へ出る」「人中でもまれる」

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大辞林 第三版の解説

じんちゅう【人中】

人のなか。ひとなか。
〔「にんちゅう」とも〕 鼻と上唇の間の中央に、縦に通っているくぼみ。

にんちゅう【人中】

人間界。 「 -天上の善果を受くといへども/謡曲・江口」
じんちゅう(人中)」に同じ。

ひとなか【人中】

人の多く集まっている所。衆人の中。 「 -をもかえりみず大声を出す」

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精選版 日本国語大辞典の解説

じん‐ちゅう【人中】

〘名〙
① 多くの人のなか。ひとなか。にんじゅう。〔南史‐徐勉伝〕
② 鼻と口との間のほそ長いみぞ。にんちゅう。
※解体新書(1774)一「唇上陥処。謂之人中」 〔相書〕

にん‐じゅう ‥ヂュウ【人中】

〘名〙
① たくさんの人の中。ひとなか。じんちゅう。
※海道記(1223頃)萱津より矢矧「霊験日新たにして、人中の心華春の如くに開く」

にん‐ちゅう【人中】

〘名〙
① 人間の世界。人間界。
※秘蔵宝鑰(830頃)上「或生人中及龍夜叉乾闥婆
※太平記(14C後)三五「多劫の苦を受る事終て、今人中に生る」
③ 鼻の下と上唇との間にたてにあるみぞ。じんちゅう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※評判記・吉原讚嘲記時之大鞁(1667)るい「人中、少くぼみ過て、はなより口へ、とひをかけたるやうにて」
④ 人間の排泄物。大小便。

ひと‐なか【人中】

〘名〙
① 大勢の人のいる中。衆人の中。
※書紀(720)垂仁七年七月(北野本訓)「恒に衆中(ヒトナカ)に語りて曰はく」
② 他人の中。世間の様子。
※俳諧・談林十百韻(1675)上「いざ折て人中見せん山桜〈雪柴〉 懐そだちの谷のさわらび〈正友〉」

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世界大百科事典内の人中の言及

【当身技】より

…当(あて),当身,当技(あてわざ)ともいう。人体の急所とされる天倒(てんとう)(頭頂部),烏兎(うと)(みけん),霞(かすみ)(こめかみ),人中(じんちゆう)(鼻下),水月(すいげつ)(みぞおち),明星(みようじよう)(下腹部),電光(でんこう)(右ひばら),月影(げつえい)(左ひばら),釣鐘(つりがね)(睾丸),ひざ関節などを,こぶし,指先,ひじなどで突いたり,こぶし,手刀などで打ったり,ひざ,蹠頭(せきとう),かかとなどでけったりして相手に苦痛をあたえ参らせる技である。現在は乱取(らんどり)(自由練習)や試合における勝敗が中心となり,投げ技と固め技だけが使われ,当身技は危険であるので禁じられているため,活用がおろそかになっている。…

※「人中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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