派手・破手・端手(読み)はで

精選版 日本国語大辞典 「派手・破手・端手」の意味・読み・例文・類語

は‐で【派手・破手・端手】

〘名〙 (形動) (三味線の弾き方の「はで(破手)」から転じた語とも、また、「映(は)え手」の変化した語ともいう)
① 姿、かたち、つくり、色あい、図柄などが、見た目にきわめて華美に映ること。目立って、はなやかであること。また、そのさま。⇔地味
※浮世草子・好色二代男(1684)七「女良のゆく風俗、うつくしき形にはよらず、破体(ハデ)なる仕出し、又は名代(なだい)にて思ひつくもの也」
※男五人(1908)〈真山青果〉二「濃い潮染の派手な浴衣に、帯も何時になくきちんと胸高く結んで居る」
② 態度、行動などが、人目を引くほど大げさであること。仰々しいこと。にぎやかなこと。また、そのさま。⇔地味
※仮名草子・都風俗鑑(1681)三「今のかぶきのふうぞくは当世下劣の風にして、ひとへにはでを表として」
※フランス文壇史(1954‐56)〈河盛好蔵〉アカデミー・フランセーズ「そういうユーゴーも派手な運動をやった一人であるが」
[語誌](1)元祿から享保にかけて、三味線用語から歌舞伎・遊里に関わる風俗を評する語として用いられ、宝暦の洒落本発展期には、目立って華やかで美しいさまをいう語として普及した。
(2)「いき」の美意識確立とともに、洒落本からは「はで」の用例は極端に減じる。「はで」は「いき」に劣る観念として位置づけられ、江戸末には「浮ついた、目立ち過ぎる華やかさ」の意味が強調された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android