(読み)カツ

  • ▽滑
  • こつ
  • すべく・る
  • すべら・す
  • すべ・す
  • なめ
  • なめ・る
  • ぬめ
  • ぬめく・る
  • ぬめり
  • ぬめ・る
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

常用漢字] [音]カツ(クヮツ)(漢) コツ(漢) [訓]すべる なめらか ぬめる
〈カツ〉
なめらかで滞りがない。「円滑潤滑平滑円転滑脱
すべる。「滑空滑降滑車滑走滑落
〈コツ〉秩序を乱す。まぜ返しておどける。「滑稽(こっけい)
[難読]滑子(なめこ)滑革(ぬめかわ)
敷居や鴨居(かもい)などの部材で、のないもの。無目(むめ)。
かつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘自ラ四〙
① やりくりする。どうにかこうにかくりのべる。
※東寺百合文書‐ほ・正安二年(1300)八月一五日・伊勢大国荘雑掌申状案「いま一日もすへくり候はむと仕候」
② 物がすべってとらえどころのないような仕方で事を行なう。
※玉塵抄(1563)八「脂韋の如にしてぬたにぬめりすべくって役のことををこたり性が柔弱な」
〘他サ四〙
① すべらせる。衣服をすべらかして脱ぐ。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「筆をとりて、懐紙に、かく書きて、腰に結ひつく。高欄のもとに、これかれ押しかかりて居たる所に〈略〉すべし取らせて、そなたの御階よりおりてみそかに出で給へば」
② 髪をすべらかして垂らす。
③ 人の前から、物などをさげおろす意の女房詞。〔公家言葉集存(1944)〕
〘他サ五(四)〙 すべるようにする。すべらせる。すべらかす。
※雑俳・鳥おどし(1701)「すへらして・釜江切入むこんにゃく屋」
※夜と霧の隅で(1960)〈北杜夫〉二「なお疑いぶかそうな視線を床から医者へすべらした」
〘名〙 なめらかなこと。また、つるつるしたもの。ぬめぬめしたもの。ねばねばしたもの。
※古事記(712)中(延佳本訓)「佐那〈此の二字は音を以ゐる〉葛(かづら)の根を舂(うすづ)き、其の汁(しる)の滑(ナメ)を取て、其の船の中の簀椅(すはし)に塗りて」
〘自ラ四〙 なめらかである。ぬるぬるとすべる。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「滑(ナメリ)(く)ちたるもの酢(す)き子(み)を拾(ひろ)ひて弱き身を助け」
※車屋本謡曲・石橋(1465頃)「わづかにかかる石の橋の苔はなめりて足もたまらず」
〘名〙
① 銭の裏面で文字のない面。〔物類称呼(1775)〕
② 敷居や鴨居で溝のないもの。
〘自ラ四〙 なめらかですべる。ぬるぬるとすべる。ぬめるようにして進む。
※玉塵抄(1563)三「滑稽はぬめくって、こちえすればあちえし、あちえすればこちえするぞ」
[1] 〘名〙 (動詞「ぬめる(滑)」の連用形の名詞化)
① ぬめること。なめらかでぬるぬるすること。また、ぬるぬるしたもの。
※大草家料理書(16C中‐後か)「ぬかにて磨き、ぬめりのなき程にして、にごり酒にて能煮候也」
② なめらかで光沢があること。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「袖口の繻子のぬめりに見ほれけんすべりこんだる風の梅が香」
③ ぬるぬるする液。粘液。
※蝴蝶(1889)〈山田美妙〉二「銀象嵌とも見たてられる蝸牛のぬめりに」
④ 泥にまみれること。
⑤ 平凡で見所のない和歌・連歌・俳諧をいう語。特に、連句で平々凡々な付句をいう。
※俳諧・鶉衣(1727‐79)前「多くは歌よみ連歌師のぬめりに、さよの中山に旅ねの詞をつづけ」
⑥ のらりくらりと放蕩すること。遊里通いをすること。なまめいた遊びをすること。
⑦ 「ぬめりうた(滑歌)」の略。
※随筆・奈良柴(1767)「先年上方より坂田平四郎といふ者下り、菊之丞所作にあはせて無げんといふ少し許りの小歌を謡ひし也。これをぬめりといふ」
[2] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる) なめらかで、ぬるぬるしているさまを表わす語。ぬまり。
※日葡辞書(1603‐04)「Numerito(ヌメリト)
※虻(1910)〈青木健作〉一「黒い藻が〈略〉、時々は脚にぬめりと絡む事もあった」
〘自ラ四〙
① ぬるぬるとしてすべる。なめらかである。ぬんめる。
※順集(983頃)「鳰鳥がやどりせるあまはかもなしらうたくぬれてぬめる今宵か」
※仮名草子・犬枕(1606頃)「ぬめる物、鰻・糸巻・蛞蝓(なめくじり)・練貫・裸・女房の風呂」
② 浮かれ歩く。のらりくらりと遊び歩く。遊里をひやかして回る。
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「夢の浮世をぬめろやれ、遊べや狂へ皆人と」
③ なまめかしくふるまう。めかす。粋な風をする。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「余所目はいかにぬめる若僧(にゃくそう)〈知元〉 児達へまいらせぬるはねり木にて〈同〉」
④ ぬらくらと言いぬける。
※浄瑠璃・義経新含状(1744)二「何とぬめらん詞もなく、口をつむぎて居たりしが」
⑤ 浄瑠璃作者が、その文章に縁語を多く連ねる。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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