牛鍋(読み)ギュウナベ

世界大百科事典 第2版の解説

ぎゅうなべ【牛鍋】

なべ料理の一種。牛肉にネギ,豆腐などを取り合わせ,しょうゆみりんなどを合わせた割下(わりした)で煮て食べるもので,獣肉を素材とする日本料理の代表的な品目である。奈良時代以降,日本人の多くが肉食を忌避し,ことに家畜の食用に対しては罪悪感を抱いていたという精神風土の中で,なかば公然と牛肉食が行われるようになったのは江戸後期のことになる。すでに近江彦根の井伊家では例年牛肉のみそ漬を将軍に献上していたし,町では牛肉を買うこともできた。

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大辞林 第三版の解説

ぎゅうなべ【牛鍋】

〔主に関東で用いた語〕
牛肉をネギ・豆腐などと一緒に平鍋で煮ながら食べる料理。すきやき。

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精選版 日本国語大辞典の解説

うし‐なべ【牛鍋】

〘名〙 鍋で牛肉を煮ながら食べる料理。ぎゅうなべ。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初「牛鍋(ウシナベ)食はねば開化不進奴(ひらけぬやつ)

ぎゅう‐なべ ギウ‥【牛鍋】

〘名〙
① 牛肉を煮るなべ。牛肉鍋
② 牛肉を野菜などと鍋で煮ながら食べる料理。牛肉鍋。明治の文明開化期に、東京周辺で流行するようになった。現在では、関西風の名称である「すき焼き」が一般に用いられる。《・冬》
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「程なく牛鍋(ギウナベ)と酒罎(てうし)を持来れば、両人しばらく無言にて」

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世界大百科事典内の牛鍋の言及

【すき焼(鋤焼)】より

…《料理早指南》第4編(1804)には,ガン,カモ,カモシカなどの肉をたまりにつけ,使い古した唐(から)すきの上で焼くとし,《素人庖丁》初編(1803)では唐すきの代りになべやイタヤガイの殻を用いてもよいとしており,バーベキュー的な野外料理にはじまったものと思われる。現在ではおもに牛肉を用いるなべ料理をこの名で呼ぶが,明治初年文明開化の風潮に伴って普及しはじめたころから,関東ではこれを牛(ぎゆう)なべと呼んだ。それが東西ともにすき焼の呼称に統一されたのは大正になってからだとされる。…

※「牛鍋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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