瓠・匏・瓢(読み)ひさご

精選版 日本国語大辞典 「瓠・匏・瓢」の意味・読み・例文・類語

ひさご【瓠・匏・瓢】

[1] 〘名〙 (古くは「ひさこ」)
① 夕顔・瓢箪(ひょうたん)などの総称。また、特にそれらの果実。なりひさご。《季・秋》
書紀(720)仁徳一一年一〇月(前田本訓)「唯し、衫子(ころものこ)のみは全(おふ)し匏(ヒサコ)両箇(ふたつら)を取りて塞(せ)き難き水に臨みて」
② ①の実をくりぬいて作った容器。水・酒・穀物などを入れる。
※古事記(712)中(兼永本訓)「真木(まき)の灰(はひ)を瓠(ヒサコ)に納(い)れて」
③ (多く「杓」「柄杓」と書く) 水などをくむ用具。①の実を縦に二つに割って用いたところからいう。後には、木を刳(く)って作り、柄をつけたものなどもいう。ひしゃく。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「福无き人は中途(みちなか)に病を得、一𣏐(ヒサこ)の湯、片手の米を得ず」
④ 紋所の名。①にかたどったもの。丸に一つ瓠、抱き瓠、三つ寄せ瓠などがある。
[2] (ひさご) 俳諧撰集。一冊。浜田珍碩(ちんせき)編。元祿三年(一六九〇)刊。奥州行脚後の芭蕉を迎えて、珍碩・曲水・乙州ら湖南の蕉門の人々によって興行された歌仙五巻を収める。「猿蓑(さるみの)」と並んで蕉風完成期の作風を代表する。俳諧七部集の第四集。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android