現れる(読み)アラワレル

デジタル大辞泉 「現れる」の意味・読み・例文・類語

あらわ・れる〔あらはれる〕【現れる〔現われる〕/表れる〔表われる〕/顕れる】

[動ラ下一][文]あらは・る[ラ下二]
(現れる)今までなかったものが姿を見せる。「彗星すいせいのごとく―・れる」「雲間から太陽が―・れる」
(表れる)隠れていたものが表面に出てくる。感情・思想などが表面から知られる状態になる。「怒りが顔に―・れる」「彼の考えがよく―・れた文章
(現れる)隠れていたものが際立って見えてくる。知れわたる。「真価が世に―・れる」
(顕れる)よくないことが公になる。発覚する。「悪事が―・れる」
[類語](1出現する現出する登場する現前する顕現する生ずる現ずるのぞ出来る台頭デビュー誕生登板お目見えのし上がる躍り出る頭角を現す頭をもたげる/(2発現する発露する流露する出る昇る差し昇るにじみ出る/(4発覚する露見する暴露するばれるばらすすっぱ抜くさらけ出す露呈する表立つ足が付く馬脚をあらわす尻尾を出す尻が割れるめっきが剝げるぼろを出す化けの皮をあらわす化けの皮を剝がす地金を出す暴く・暴き出す・暴き立てる白日の下に晒す発表公表披露公開漏洩ろうえい漏れる漏洩ろうせつ筒抜け・漏れ出る・漏らす漏出リーク暴く

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精選版 日本国語大辞典 「現れる」の意味・読み・例文・類語

あらわ・れるあらはれる【現・著・顕】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]あらは・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 隠れていた物事が、はっきり見えるようになる。表に出てくる。
    1. [初出の実例]「陽に接きて孤り標(アラハレ)て特に起れり」(出典:百法顕幽抄平安中期点(900頃))
    2. 「この里はしぐれにけりな秋の色のあらはれそむる峰のもみぢば〈如願〉」(出典:新勅撰和歌集(1235)雑一・一〇九四)
  3. 隠していた物事が人に知られる。発覚する。露見する。
    1. [初出の実例]「皇子大津、謀反(みかどをかたぶ)けむとして発覚(アラハレ)ぬ」(出典:日本書紀(720)持統称制前(北野本訓))
    2. 「もろこしにはあらはれてもしのびても乱りがはしき事いと多かりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
    3. 「さすがおろか成(なる)やりくりにて、後はあらはれてむごく見かぎられて」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)三)
  4. 神仏が姿や霊験を現わす。示現する。
    1. [初出の実例]「筑紫に居(ま)します三はしらの神宮(おほみや)の中に見(アラハレ)て言はく」(出典:日本書紀(720)履中五年三月(熱田本訓))
    2. 「心浅き人のためにぞ寺の験(げん)もあらはれける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
  5. それまでなかったものが出現する。
    1. [初出の実例]「なほこの無量寿院いとめでたく、極楽浄土のこの世にあらはれけると見えたり」(出典:大鏡(12C前)五)
  6. 名声功績などが、世間に広くはっきりと知られるようになる。
    1. [初出の実例]「顔回も孔子にほめられてこそ、名はあらわれたれ」(出典:史記抄(1477)一一)

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