(読み)ホ

デジタル大辞泉 「穂」の意味・読み・例文・類語

ほ【穂】

《「」と同語源》稲・麦やススキなどの花序。長い茎の先に花や実が群がりついたもの。特に、稲のものをいう。
槍・筆など、とがっている物の先の部分。「筆の」→
接ぎ木挿し木に使う芽のついた小枝。挿し穂。接ぎ穂。
[下接語]稲穂・刈り穂・挿し穂垂り穂接ぎ穂出穂波の穂抜き穂初穂みず(ぼ)粟穂稗穂あわぼひえぼ落ち穂黒穂ささ穂・つるぬかひつじ
[類語]稲穂初穂落ち穂穂先穂波穂並み瑞穂垂り穂

すい【穂〔穗〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]スイ(漢) [訓]
スイ
穀物のほ。「穂状禾穂かすい麦穂出穂期
ほのような形をしたもの。「花穂
〈ほ(ぼ)〉「穂先稲穂空穂うつぼ初穂瑞穂みずほ
[名のり]お・みのる

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精選版 日本国語大辞典 「穂」の意味・読み・例文・類語

ほ【穂】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ほ(秀)」と同語源 )
  2. 長い花軸茎がぬき出て、その先端周辺部に花・果実などが密集して付いたもの。イネ科などの植物にみられる。
    1. [初出の実例]「柯を連ね穂(ほ)を并す瑞、史書すことを絶たず」(出典古事記(712)序)
    2. 「秋の田の穂(ほ)の上に霧らふ朝霞何時へのかたに我が恋やまむ」(出典:万葉集(8C後)二・八八)
  3. 槍・筆などとがっているものの先の部分。尖端
    1. [初出の実例]「槍の穂も、願はくは長きが能候」(出典:武具要説(1577))
  4. つぎ木、さし木に使う芽のついた小枝。さしほ。つぎほ。

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普及版 字通 「穂」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)穗
人名用漢字 17画

(異体字)
9画

[字音] スイ
[字訓]

[説文解字]
[その他]

[字形] 会意
正字は(すい)に作り、爪+禾(か)。禾穂を摘み采る意。〔説文〕七上に「禾りて秀あり。人の收むる以(ゆゑん)なり。爪禾に從ふ」とし、また穗の字形をあげて惠(恵)声とするが、声が合わない。〔慧琳音義〕に引く〔倉頡〕に穗・を同訓としており、・穗・は同字異文と考えられる。惠に三隅矛(みつめぼこ)の意があり、禾麦の穗がそのような形に出ていることを、惠の字形によって示したものであろう。金文の惠の字に、上を三穂の形に作るものがあり、縛の(縛)も、古くは上部に三本の紐が出ている形であった。

[訓義]
1. ほ、ほさき。
2. いと飾り。
3. またに作る。

[古辞書の訓]
和名抄〕穗 加尾(かび)、保(ほ) 〔名義抄〕穗 ヒヅ・ホ/初穗 ハツホ 〔字鏡集〕穗 ホ・トトノフ・カイホ・ヒツホ

[語系]
穗・ziutは同声。は会意。穗は三隅矛のような惠の上部の形をとり、は声による字である。

[下接語]
一穂・禾穂・花穂・穫穂・岐穂・共穂・香穂・合穂・穀穂・残穂・出穂・垂穂・成穂・積穂・早穂・草穂・滞穂・短穂・断穂・中穂・抽穂・吐穂・稲穂・同穂・二穂・麦穂・晩穂・分穂・芳穂

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「穂」の意味・わかりやすい解説



spike

植物の花で,花軸上に柄がないか,きわめて柄の短い小さな花が連続して並んでついているもの。花序としては,穂状花序総状花序,またはその複合した形となる。イネ,ススキなどの花穂などがその例である。

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