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絵所 えどころ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

絵所
えどころ

平安時代以降,宮廷社寺に所属し絵画制作を担当した機関。大同3 (808) 年,それまでの画工司 (えだくみのつかさ) が廃止されたのち,9世紀なかばに宮廷内に設立された。組織としては,事務を司る別当の下に専門絵師の預 (あずかり) と墨書 (すみがき) が配され,さらに補助的な雑工がいた。ここでは宮廷や貴族の生活のあらゆる需要に応じて,屏風,障子絵,絵巻,冊子絵などの制作から,調度工芸のデザイン,彩色にいたるまで幅広い活動を行なった。絵師たちはまた絵仏師とともに仏教建築内部の装飾や仏画の制作にもたずさわった。鎌倉時代以降,宮廷の絵所は,伝統的なやまと絵の様式,技法を受継ぎ,14世紀末には土佐派絵所預の職を世襲するようになった。宮廷絵所とは別に鎌倉時代に入ると東寺や興福寺,春日大社など,寺院に所属する絵所も設けられるようになり,特に興福寺絵所は吐田 (はんだ) 座,芝座に分れて室町時代まで活動した。

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百科事典マイペディアの解説

絵所【えどころ】

画所とも書き,平安時代以降宮廷や寺社で絵画制作を担当した機関・工房。9世紀後半にできた宮廷の絵所は奈良時代の画工司(がこうし)の系統をひくもので,別当(五位蔵人)のほか,預(あずかり),墨書(すみがき),内豎(ないじゅ),熟食(じゅくしょく)の4種類の職員をもつ。
→関連項目土佐光起

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世界大百科事典 第2版の解説

えどころ【絵所】

絵画や意匠などを制作,考案する工房。また,その工房を組織する絵師をもさす。8世紀の初期に律令制が整備されると,中務省内に図書寮などとともに,画工司(えだくみのつかさ)が当時の公的な絵画制作の機関として設けられた。だが,この時期の大規模な国営事業に際して編成された令制外の造営官司に,〈絵所〉と記す作業工房の存在したことが《正倉院文書》によって知られる。この絵所は,しかし,8世紀末から始まる官営工房の解体や削減によって,中務省管下の内匠寮に縮小,吸収された画工司とともに,その消息を失う。

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