木の芽(読み)きのめ

日本大百科全書(ニッポニカ)「木の芽」の解説

木の芽
きのめ

「このめ」ともいう。一般にはサンショウの若芽を木の芽というが、東北・信越などの雪国地方では、アケビの若芽を木の芽という。木の芽(サンショウの若芽)は広くいろいろな料理に用いられる。木の芽田楽(でんがく)は、木の芽をすり鉢ですってみそを加え、それを豆腐に塗って焼いたもの。木の芽和(あ)えは、白みそ、みりん、砂糖を混ぜ合わせたものに、木の芽をすって加え、イカ、タコ、タケノコなどを和える。和える材料は小口切りか、賽(さい)の目に切り、下煮して薄味をつけておく。なお、青みを強くするには、ゆでたホウレンソウの葉先を細かく刻んで加える。木の芽焼きは、溶き卵にサンショウの若芽のみじん切りを加え、タイ、サワラなど白身魚の切り身を焼いた上に塗って、さっと焼く。

[多田鉄之助]


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デジタル大辞泉「木の芽」の解説

き‐の‐め【木の芽】

樹木の新芽。このめ。 春》
サンショウの若芽

こ‐の‐め【木の芽】

春にもえ出る木の新芽。きのめ。 春》「あけぼのの白き雨ふる―かな/草城
サンショウ。きの

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精選版 日本国語大辞典「木の芽」の解説

き【木】 の 芽(め)

① 木に萌え出た新芽。このめ。《季・春》
② 山椒(さんしょう)の新芽。香りが高いので食物に添えて用いたり、木の芽あえにしたりする。このめ。《季・春》 〔俳諧・改正月令博物筌(1808)〕
③ アケビの新芽。このめ。
※顕昭古今集註(1185‐91)一「かすみたちこのめもはるのゆきふれば〈略〉このめは木の目也。但人の食する物にきのめといふはあけびといふものの葉を云也」
④ 柚(ゆず)の葉をいう女房詞。このめ。〔東大本女中詞(旧黒川家蔵)(17C)〕
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)序幕「又田螺(たにし)の木の目よ」

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百科事典マイペディア「木の芽」の解説

木の芽【きのめ】

日本料理でサンショウ若葉をいう。かおりがよく辛味があり香辛料として用途が広い。吸物に浮かしたり煮物青みに添えたりする。刻んでみそに入れた木の芽みそは木の芽田楽(でんがく),木の芽和(あ)えなどにする。三杯酢にまぜた木の芽酢,付焼にふりこむ木の芽焼などもある。

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動植物名よみかた辞典 普及版「木の芽」の解説

木の芽 (キノメ)

植物。ツバキ科の常緑低木,園芸植物,薬用植物。チャの別称

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世界大百科事典内の木の芽の言及

【サンショウ(山椒)】より

…はじめは〈はじかみ〉と呼ばれたが,同じようにしんらつ味をもつショウガが伝来すると,それを〈くれのはじかみ〉と呼び,サンショウは〈なるはじかみ〉〈ふさはじかみ〉と呼んで区別するようになった。3月ころから新芽を吹くが,この新芽や若い葉を〈木の芽〉と呼び,煮物の香りづけや汁物の吸口に用いる。木の芽みそ,サンショウみそはみそにすりまぜたもので,木の芽あえはこれでたけのこやイカをあえたもの,木の芽田楽は豆腐にこれを塗った田楽である。…

※「木の芽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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