西林寺(読み)さいりんじ

日本歴史地名大系 「西林寺」の解説

西林寺
さいりんじ

[現在地名]西脇市坂本

坂本さかもとの西部山地の麓にある。柏谷山と号し、高野山真言宗。本尊は十一面観音。白雉二年(六五一)法道の開基と伝える。応安八年(一三七五)二月一八日、当寺の増信は九州五島列島の福江ふくえ島にある大宝だいほう(現長崎県玉之浦町)の梵鐘鋳造の大願主となっている。増信は勧進聖と考えられ、一説には入宋を企てたともいわれる。永徳四年(一三八四)二月七日の執行法印道賢一跡配分目録(熊野那智大社文書)には「幡摩ママ国津万里西林寺先達引旦那等」とみえ、当寺の僧が熊野詣の先達となっていた。永正八年(一五一一)八月一一日の西蓮寺僧出峰願文(熊野本宮大社文書)にみえる「つまの西蓮寺」も当寺のことと思われる。


西林寺
さいりんじ

[現在地名]松山市高井町

高井たかい町の南部にあり、その前面にうち川が流れている。清滝山安養院と号し、真言宗豊山派。本尊は十一面観世音菩薩。四国八十八ヵ所の四八番札所。寺の縁起によると、もと小野おのの播磨塚付近にあったが、大同二年(八〇七)空海が伊予に巡錫した際この地に移したという。下って文明年中(一四六九―八七)に再建されたが、寛永年中(一六二四―四四)の火災によって記録類を焼失したと伝えられる(同寺記録)

元禄一三年(一七〇〇)に松山藩主松平定英を施主として再建され、旱魃の年には同藩の祈願所となった。


西林寺
さいりんじ

[現在地名]西脇市坂本さかもと

西嶋にしじま村の北西に位置し、西側は山麓。慶長国絵図に西林寺とみえ、正保郷帳以下の郷帳類にも一村として登載されているが、単に西林寺とあって村は付されていない。西林寺は当地にある古刹の名。寛永一六年(一六三九)幕府領となり(兵庫県史)、一部は文政三年(一八二〇)より幕末まで三草藩領(天保九年「播磨国内郷村高辻帳」丹羽家文書、慶応四年「丹羽氏知行目録」池田家文庫)残余(高一六七石余)は天保元年(一八三〇)より幕末まで武蔵忍藩領(天保元年「忍藩領高覚書」要中録、旧高旧領取調帳)


西林寺
さいりんじ

[現在地名]久御山町林

はやし集落の北東部、名木なき川の南に位置する。宝池山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。近世中期以降、城南近在三十三所観音霊場の一九番札所。「京都府地誌」は「天正十一年癸未創建シ僧周善開基セリ」と記す。そのほかの経緯は不詳。久御山町の双栗さぐり神社の神宮寺の一つ薬蓮やくれん寺が廃寺となったため、薬師・阿弥陀如来坐像三体が当寺に移安された。このうち二体の阿弥陀如来坐像は国に譲渡され(京都国立博物館保管)薬師如来坐像は薬師堂に安置される。


西林寺
さいりんじ

[現在地名]守谷町守谷 籠山

守谷城跡南方に所在。境内に老松が多い。擁護山清浄光院と号し天台宗。本尊阿弥陀如来。延喜二年(九〇二)三月に天台座主延昌が東国布教の折に創建したとか、相馬胤継が中興した菩提寺とも伝えられるが未詳。当初は茶畠山清浄光院と称し、高野こうや村に建立されたが、元禄四年(一六九一)に現在地に移り、天保(一八三〇―四四)の書上によると寺域三万坪、朱印地二〇石があり、門末四八ヵ寺を有したと伝えられる。

長保年中(九九九―一〇〇四)当寺四世栄弥が源信より五重相伝の法を受け、従来数百年間継続して今日に至り、毎年旧暦一〇月一七日に奉修血脈を参縁者に授与している。


西林寺
さいりんじ

[現在地名]宇和町郷内

紫金山と号し、曹洞宗。本尊阿弥陀如来。開基は不明。

天正四年(一五七六)鳥付とりつき城主三善春澄が仏殿を再興し、水田一反を寄進した(宇和旧記)。再興棟札に「伊予国、宇和郡、隈前郷、紫金山、西林禅寺」とあり、郷内ごうない隈前くまさき(熊崎)と称されていたことがわかる。


西林寺
さいりんじ

[現在地名]吉良町瀬戸 宮西

県道岡崎―横須賀線の東一〇〇メートルの地点にある。覚樹山と号し、浄土宗西山深草派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると、もと医王山瑠璃光院と称し、須美すみ(現額田郡幸田町)にあって天台宗の道場であった。寛正二年(一四六一)焼失、その後松空念信が瀬戸せと村に堂宇を再建し、浄土宗覚樹山西林寺と改めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「西林寺」の解説

西林寺

愛媛県松山市、内川(うちかわ)沿いにある寺院。真言宗豊山派。山号は清滝山、院号は安養院。寺伝では、天平年間に行基が現在の小野播磨塚付近に建立した寺を、弘法大師(空海)が現在地に移したとされる。本尊は十一面観世音菩薩。四国八十八ヶ所霊場第48番札所。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

事典・日本の観光資源 「西林寺」の解説

西林寺(第48番)

(愛媛県松山市)
四国八十八箇所」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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