新撰 芸能人物事典 明治~平成 「観世 銕之丞(8代目)」の解説
観世 銕之丞(8代目)
カンゼ テツノジョウ
- 職業
- 能楽師(観世流シテ方)
- 肩書
- 観世流分家銕之丞家8代目,銕仙会主宰 重要無形文化財保持者(能シテ方)〔平成7年〕
- 本名
- 観世 静夫(カンゼ シズオ)
- 別名
- 後名=観世 静雪(カンゼ ジョウセツ)
- 生年月日
- 昭和6年 1月5日
- 出生地
- 東京市 下谷区西町(東京都 台東区)
- 学歴
- 暁星中(旧制)〔昭和20年〕中退
- 経歴
- 父は7代目観世銕之丞(のち雅雪)、兄・寿夫、栄夫もまたシテ方で、能楽界では“観世三兄弟”として知られる。昭和8年祖父・観世華雪と父に師事。9年「鞍馬天狗」子方で初舞台。13年「合浦」で初シテをつとめる。28年兄らと華の会を結成。「道成寺」を披く。29年ベネチア国際演劇祭に参加、初の能楽海外公演を実現する。30年創作劇「綾の鼓」(三島由紀夫作)に出演。45年兄らと冥の会を結成。55年8代目銕之丞を襲名。銕仙会を主宰。夢幻能の代表作に「定家」「安宅」「求塚」「羽衣」などがある。また、従来観世流が上演していなかった「三山」「当願暮頭」「松山天狗」を復曲初演。能の現代的再生を目指し、兄らと新作能、創作劇、ギリシャ劇も手がけ、「智恵子抄」「鷹姫」、「オイディプース王」「アガメムノーン」「ゴドーを待ちながら」「山月記」「メデア」「天守物語」などに出演。能楽界の演技者グループ申楽乃座(さるがくのざ)同人で、60年8月には被爆40年を機会に反核平和のための能を上演。平成5年国立能楽堂能楽養成シテ方主任講師に就任。7年二十一世紀に伝える能と狂言を考える会・能楽座を旗揚げ。同年人間国宝。著書に「ようこそ能の世界へ―観世銕之亟能がたり」がある。
- 所属団体
- 銕仙会,申楽乃座
- 受賞
- 芸術選奨文部大臣賞(第42回 平3年度)〔平成4年〕「鷺」「定家」「当願暮頭」,日本芸術院賞(第48回 平3年度)〔平成4年〕 紫綬褒章〔平成9年〕
- 没年月日
- 平成12年 7月3日 (2000年)
- 家族
- 父=観世 雅雪(7代目銕之丞),兄=観世 寿夫,観世 栄夫,長男=観世 銕之丞(9代目),祖父=観世 華雪(6代目銕之丞)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報