観世銕之丞(8世)(読み)かんぜてつのじょう[はっせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「観世銕之丞(8世)」の意味・わかりやすい解説

観世銕之丞(8世)
かんぜてつのじょう[はっせい]

[生]1931.1.5 東京,東京
[没]2000.7.3 東京,港
観世流シテ方の能楽師。本名静夫。7世観世銕之丞(雅雪)の四男。父雅雪,祖父観世華雪,兄観世寿夫師事。1934年『鞍馬天狗』の花見で初舞台。1938年『合浦』で初シテ。1953年『道成寺』,1978年『卒都婆小町』を初演。1980年に 8世銕之丞を襲名。1985年『檜垣』,1990年『姨捨』を初演。兄の寿夫,観世栄夫らとともに新作能や能・狂言様式の演劇,他ジャンルの演劇に参加した。番外曲の復曲にも意欲的で,1984年『三山』,1991年『当願暮頭』などに主演。1982年,世阿弥自筆本『雲林院』の復活試演でも作曲・作舞をし,後シテを演じた。1953年寿夫,栄夫とともに華の会を結成し,のちに三役(ワキ方,狂言方,囃子方)が加入し,流儀役籍をこえた組織となった。また 1970年二人の兄と新劇の俳優,演出家らと冥の会を結成し同人となった。申楽乃座の同人。1991年度芸術選奨文部大臣賞,1992年日本芸術院賞。1995年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。1997年紫綬褒章。銕仙会理事長として多くの後進を育成した。9世銕之丞(暁夫)は長男著書に『ようこそ能の世界へ 観世銕之亟能がたり』(2000)がある。(→

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