精選版 日本国語大辞典 「関東管領」の意味・読み・例文・類語
かんとう‐かんれい クヮントウクヮンレイ【関東管領】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
室町幕府の職名。鎌倉公方(くぼう)の補佐役。足利尊氏(あしかがたかうじ)は関東を重視し、鎌倉府を設置して斯波家長(しばいえなが)を関東管領に任じ、幼少の鎌倉御所足利義詮(よしあきら)を補佐させた。以後関東管領には高師冬(こうのもろふゆ)、上杉憲顕(うえすぎのりあき)らが就任し、鎌倉公方とともに関東を統治している。1363年(正平18・貞治2)上杉憲顕の関東管領復任後は、上杉氏がこの職を世襲していった。上杉氏は山内(やまのうち)、扇谷(おうぎがやつ)、犬懸(いぬがけ)、宅間(たくま)の4家に分かれ、交代で関東管領に就任した。関東管領には初期は2人、のちには1人が在任し、公方のもとで公方の命令を取り継ぐなどの職務を担い、また公方が未補任(ぶにん)や幼少の場合には、公方にかわり諸権限を行使した。このような職権を行使しえたことに伴い上杉氏の勢力が強化され、1438年(永享10)鎌倉公方足利持氏(もちうじ)と武力衝突するまでに発展し、幕府の援助を受けた上杉氏は持氏を敗死させた(永享(えいきょう)の乱)。鎌倉府の家臣らの要請で持氏の子成氏(しげうじ)が鎌倉公方に就任したが、上杉憲忠(のりただ)殺害事件を起こし、1455年(康正1)上杉氏らにより成氏は下総古河(しもうさこが)(茨城県古河市)に追われ、以後管領上杉氏が公方にかわり関東を支配するようになった。しかし、この上杉氏も山内、扇谷両家が争い始め、さらには関東に進出してきた後北条(ごほうじょう)氏の圧迫により、その勢力もしだいに衰退した。ついに上杉憲政(のりまさ)は越後(えちご)(新潟県)に逃れ、1561年(永禄4)長尾景虎(かげとら)(上杉謙信(けんしん))を養子にし、上杉の姓と関東管領職を景虎に委譲した。関東管領は景虎が継承はしたが、すでに実権はなく有名無実化しており、景虎の死後はこれを引き継ぐ者もなく、この名称は消滅した。
[小要 博]
『『鎌倉市史 総説編』(1959・吉川弘文館)』▽『『神奈川県史 通史編1 原始・古代・中世』(1981・財団法人神奈川県弘済会)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
当初は関東執事とも。室町幕府が鎌倉公方を補佐するために任じた職。1336年(建武3・延元元)足利尊氏は斯波(しば)家長を,関東統治のために鎌倉にとどめた嫡子義詮(よしあきら)の補佐役とした。翌年末に北畠顕家軍との戦で家長が敗死すると,尊氏は高師冬(こうのもろふゆ)と上杉憲顕の2人を後任として派遣。49年(貞和5・正平4)尊氏は義詮にかわり義詮の弟基氏を鎌倉公方(くぼう)として関東に下し,一時高重茂(こうのしげもち)と師冬が交代したが,補佐役の二員制は51年(観応2・正平6)まで続いた。これは尊氏と弟直義による二頭政治の反映である。観応の擾乱後,尊氏は尊氏派の畠山国清を基氏の補佐役に任じたが,国清没落後の63年(貞治2・正平18)基氏は隠遁していた旧直義派の憲顕を再び関東管領に迎えた。憲顕の就任によって管領の職名が確立し,以来山内(やまのうち)・犬懸(いぬかけ)両上杉氏が世襲。上杉(犬懸)禅秀の乱以後は山内上杉氏が独占。任命権は幕府が保持し,関東の政務を統轄して分国のほか武蔵国守護職を兼任するなど鎌倉府内で大きな実力をもち,しだいに鎌倉公方と対立。永享の乱では幕府側について公方足利持氏を自害させ,その後も持氏の子成氏(しげうじ)と抗争を続けたが,上杉氏内部の対立抗争や後北条氏の台頭で勢力を失った。越後にのがれた上杉憲政は1561年(永禄4)管領職を長尾景虎(上杉謙信)に譲るが,78年(天正6)謙信の死で同職は消滅。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…関東府ともいう。その政治組織は,〈天子ノ御代官〉たる鎌倉公方足利氏のもとに関東管領,守護,奉公衆,奉行衆から成り立っていた。鎌倉公方は,任国内の武士に対する軍事統率権や土地安堵権など,そして諸寺社の住持職の補任権や吹挙権などを保持したが,関東管領と任国内の守護任免権は室町将軍の保持するところであった。…
※「関東管領」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新