青馬(読み)アオウマ

デジタル大辞泉 「青馬」の意味・読み・例文・類語

あお‐うま〔あを‐〕【青馬/白馬】

濃い青みを帯びた黒馬青毛の馬。また、淡青色や淡灰色の馬。あおごま。
水鳥の鴨の羽色の―を今日見る人は限りなしといふ」〈・四四九四〉
年初節会せちえの引き馬とする白馬、または葦毛あしげの馬。
「春霞まづ引き渡る―をあしげなりとはたれか見ざらむ」〈経信集〉
白馬あおうまの節会」の略。
[類語]牡馬ぼば牝馬ひんば子馬小馬若駒名馬麒麟駿馬優駿駄馬駑馬どば白馬軍馬競走馬馬車馬輓馬ばんば引き馬裸馬放れ馬暴れ馬荒馬奔馬種馬当て馬驢馬ろば騾馬らば

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精選版 日本国語大辞典 「青馬」の意味・読み・例文・類語

あお‐うまあを‥【青馬・白馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 青毛の馬。毛の色が黒く、青みを帯びた馬。
    1. [初出の実例]「鯨、白馬(アヲうま)に乗りて逃ぐ。馬、埿田(ふかた)に堕ち、進み行くこと能はず」(出典:日本書紀(720)天武元年七月(北野本訓))
  3. 白馬。また、葦毛の馬。
  4. あおうま(白馬)の節会(せちえ)」の略。また、白馬の節会に引き出された馬。
    1. [初出の実例]「水鳥の鴨の羽色の青馬を今日見る人は限り無しといふ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四九四)
  5. ( 描かれている棍棒と騎士の乗った馬が青色であることから ) めくりカルタの一一の札の一つ。

青馬の語誌

一〇世紀中頃より漢字文献において「青馬」から「白馬」へと文字表記が統一される理由については、本居宣長、伴信友は馬自体が白馬に換えられたからであるというが、室町時代の「江次第鈔‐二・正月」に「七日節会〈略〉今貢葦毛馬也」とあり、後世においても葦毛馬が使用されていたことが分かる。したがって毛色自体の変化というよりも、平安初期の「田氏家集‐下・感喜勅賜白馬因上呈諸侍中」にも「驄毛」の馬を「白馬」というように、灰色系統の色名範囲が青から白に移行したことと、平安末期の「年中行事秘抄‐正月七日」所引「十節」などに見える白馬に対する神聖視などから意識的に「白馬」の文字表記を選択したものと考えられる。→あおうま(白馬)の節会(せちえ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「青馬」の読み・字形・画数・意味

【青馬】せいば

あお。

字通「青」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の青馬の言及

【白馬節会】より

…天皇が正月7日に〈あおうま〉を見る儀式。大伴家持が〈水鳥の鴨の羽の色の青馬を……〉と《万葉集》に詠んだように,はじめは青馬であったが,平安中期より白馬と書くようになった。しかし,その後も〈あおうま〉とよんでいる。…

※「青馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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