デジタル大辞泉 「駒」の意味・読み・例文・類語
こ‐ま【駒】
2 将棋・チェス・
3 自分の手中にあって、意志のままに動かせる人や物。「
4 バイオリン・三味線などの弦楽器で、弦を支え、その振動を胴に伝えるために、弦と胴の間に挟むもの。
5 刺繍糸を巻くときに用いるエの字形をした糸巻き。
6 物の間にさし入れる小さな木片。「
7 紋所の名。将棋の駒や三味線の駒を図案化したもの。
[類語]馬・
( 1 )語源に関して、「高麗(こま)」と関連づける説は、「こま(駒)」の「こ」が甲類であるのに対し、「こま(高麗)」の「こ」は乙類であるから誤り。
( 2 )「うま」との関係で、歌における使用例は、「万葉集」では「こま」「うま」の両方が見られるが、「うま」の方が優勢。しかし、平安~鎌倉時代の八代集では、「こま」が歌語として定着し、「うま」は人名に掛けて用いるといった特別な例外をのぞいて用いられなくなった。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
弦楽器の部品で,弦を適当な高さに支えて,その振動を胴に伝えて共鳴させる役割をもつもの。英語では,その形から橋に相当するブリッジbridgeという。ギターやマンドリンのように固定式のものと,バイオリンや三味線のように可動式のものがある。和楽器では三味線,胡弓(こきゆう),一弦琴,二弦琴などに使われ,その楽器によって材質,形状,寸法,構造,名称は異なり,さらに三味線だけについてみても,種目,流派,演奏の場などにより各種の駒が使い分けられている。材質は象牙,水牛,べっこう,竹など。形状は三味線に比べて,他の弦楽器の駒は円弧状である。三味線や胡弓では棹の上端に固定させた細長い棒状のものを上駒(かみごま)といい,駒と上駒で弦が支えられている。三味線では一の糸(最低音弦)の部分だけ上駒が省かれており,〈さわり〉(余韻をともなった複雑な音色)のくふうがなされている。三味線では駒の底(台という)の広いものを台広(だいびろ)といい,義太夫や地歌の一部(柳川三味線)で使う。義太夫では穴の両側に鉛を埋め込んである。これを鉛駒とも呼び,地歌でも使うがより小型。台の狭い細駒(ほそごま)または平駒(ひらこま)は長唄など,中間の中広(なかひろ)は清元などで使う。駒の高さは1~2cmである。また忍び駒は練習用として遠方に音が聞こえないように,両端がとくに長く作られた竹製の駒である。琵琶では三味線の根緒(糸を結んであるところ)と駒の機能に相当する部分を履手(ふくじゆ)と称する。箏では弦の中間にあって弦を支え,必要に応じて移動するものは駒とはいわず,柱(じ)という。
執筆者:植田 隆之助
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
弦鳴楽器の部分名称。日本語の駒は、本来は「上に物を乗せるもの」の意で、転じて琵琶(びわ)、三味線などの部分名となった。弦鳴楽器の駒は、響板上で、緒止めや糸巻によって両端を固定させた弦の中間に位置し、弦を適度な高さに支えてその振動を響板に伝える役割を果たす。材質(木、象牙(ぞうげ)、竹など多種)、形、大きさ、重さ、位置などの違いによって、音質や奏法に大きな影響を及ぼすので、楽器によってさまざまな種類がある。たとえば、マンドリンやギター、インドのビーナなどの駒は固定されているが、バイオリン属、アラビアのラバーブ、三味線などの駒は可動である。また棹(さお)の上端に上駒(かみごま)(ナット)とよばれるもう一つの駒をもつものもあり、三味線では上駒にサワリという特殊なくふうがなされている。
[川口明子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…将棋駒を使った盤上遊戯。古文献には〈象戯〉〈象棋〉〈象棊〉と記されているが,本項では書名以外は〈将棋〉と表記した。…
※「駒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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