「国体」という表記は、日本でも古く「天穂比命を国体見(みせ)に遣はしし時に」 〔延喜式‐祝詞・出雲国造神賀詞〕とみえるが、出雲板訓ではクニカタと読まれている(国状の意)。
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憲法学や国家学で主権の所在によって区別される国家形態のことをいう。主権が君主にある君主国体と、主権が国民にある共和国体の区別である。これに対して、主権の運用を基準にして統治組織の形態を区別するのが政体で、専制政体と立憲政体に区別している。日本では、国の成り立ち、歴史的伝統など万世一系の天皇を長とした国柄を意味し、その特殊性と優秀性を鼓吹する観念として用いられ、明治になって一般化した。教育勅語(1890)で「国体ノ精華」が強調され、国民教育の理念として国民精神の形成に著しい影響を与えた。昭和に入り国体明徴(めいちょう)運動(1935)、文部省発行『国体の本義』(1937)など、議会主義と立憲主義に反対する排外思想の精神的支柱として唱導されるとともに、国体護持の名のもとに軍部支配を正当化する役割を果たした。第二次世界大戦後は日本国憲法により天皇は象徴となり、この意味での国体の語は使用されなくなった。
[和田 守]
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…第2次世界大戦後に始まった国民スポーツ振興を目的とする国内総合競技大会。略称は〈国体〉。第1回大会は大日本体育協会(日本体育協会の前身)が敗戦で荒廃した国民生活に活力を与え,日本のスポーツ界を再建するために企画,主催し,夏季,秋季両大会が1946年に京阪神地区で,冬季大会スケート競技会が47年に青森県八戸市で開催された。…
…天皇統治の正当性または日本国の優秀性を唱える思想をいう。〈国体〉の語は,政治学・法律学上その概念を使用する場合には主権の帰属いかんによって国家を区別する場合に用いられ,通常,君主国体と共和国体に区別される。しかし日本では特殊に,万世一系の天皇によって統治される優秀な国柄を表す概念として用いられ,(1)永久不滅の天皇主権を指す場合,(2)君臣の特別の情誼関係を指す場合,(3)国風文化全般を指す場合等,きわめて多義的な内容の概念として使用された。…
…
[日本国憲法と国民主権]
日本国憲法は,前文第1段と第1条で国民主権をとり入れた。その制定時には,明治憲法の天皇主権から日本国憲法の国民主権への転換に伴って,〈国体〉(国家の根本的特色)が変わったかどうか激しく論争された。尾高・宮沢論争は,その代表的なものである。…
… 幕末における内外の危機に対応して登場する水戸学は,攘夷を創唱すると同時に尊王と結びつけ,その後の過程で重要な役割を演ずる尊王攘夷の観念を打ち出した。ここでは,儒教の名分論を基礎としつつ国学の理論をもとり入れ,一系の天皇が存続し忠の道徳が妥当してきた日本の国家体制(国体)の優秀性を強調しながら,尊王が以前にないほど強く説かれる。しかし,天皇―将軍―大名―藩士という各級の者が直接の上位者に忠誠をささげることが不動の前提となっているため,尊王はこの階層秩序を維持しようとするものにほかならない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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