精選版 日本国語大辞典 「アララギ」の意味・読み・例文・類語
あららぎ【アララギ】
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短歌雑誌。1908年(明治41)10月創刊。千葉県睦岡村の蕨真(けつしん)方から発行,翌年9月東京本所茅場町の伊藤左千夫宅に移され,古泉千樫,斎藤茂吉らが編集に尽くした。《万葉集》を作歌上の手本として写実的歌風を推進した。13年左千夫が亡くなり,会員組織を設けた。翌年島木赤彦が上京し,雑誌の編集発行に専念し経営も安定した。茂吉,赤彦,中村憲吉らが歌壇に進出し《アララギ》の勢力を強化して,歌壇の中心的存在となる。20年には茂吉が〈短歌に於ける写生の説〉を書き,子規以来の写生論を展開した。26年赤彦が亡くなり,再び茂吉が編集発行人となり,30年には土屋文明に代わり,33年1月には25周年記念特集号を出した。文明は現実を直視して,生活や思想を追求するところに新生面を開いた。太平洋戦争中の45年1月戦災で休刊したが同年9月には復刊,五味保義が編集。戦後アララギの地方誌も誕生し,歌壇を代表する結社であったが,97年12月号で終刊した。
執筆者:藤岡 武雄
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「イチイ(一位)」のページをご覧ください。
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1908年(明治41)10月正岡子規系の根岸短歌会の機関誌として発刊,歌壇の主流として今日に至る。08年2月に「馬酔木(あしび)」の後継誌「アカネ」が創刊されたが,伊藤左千夫と三井甲之(こうし)との対立により,左千夫は発行人蕨真(けっしん)の「阿羅ゝ木(アララギ)」に参加。翌年9月島木赤彦の「比牟呂(ひむろ)」と合併して発行所を左千夫方に移す。古泉千樫(ちかし)・中村憲吉ら俊英が結集,万葉主義と写実を基本とした。大正期には左千夫批判を契機に斎藤茂吉・島木赤彦が,おのおの「実相観入」「鍛錬道」を提唱し,理想と実作の面で主導的立場に立つ。昭和期には土屋文明が引き継ぎ,生活に即した思想詠を実践。傘下に佐藤佐太郎・山口茂吉・吉田正俊・柴生田(しぼうた)稔らを集め,系列誌も多い。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…寒地の山林に自生し庭園にも見られるイチイ科の常緑針葉樹(イラスト)。アララギまたはオンコ(東北・北海道)ともいう。高さ20mにもなる高木で密に分枝する。…
…アララギ派歌人。書家。…
※「アララギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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