翻訳|albedo
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
物体の表面に入射した光は,一部は物体に吸収され,残りはいろいろな方向に反射される。この場合の入射光と反射光のエネルギーの比をアルベドまたは反射能という。理想的な鏡面は入射光を完全に反射するのでアルベドは1,黒体は完全に吸収してしまうのでアルベドは0である。
(1)天文学では,惑星などの表面が太陽光を反射する度合を表すのに用いる。細かくみれば,同一惑星でも表面の場所によってアルベドが異なり,地球では森林は0.05,砂漠は0.25,海は0.03~0.1,新雪におおわれた地域は0.8であるが,通常は大気を含めた表面全体から外へ出ていく光の総量を反射光として計算する。表は各惑星とおもな小惑星・衛星のアルベドである。光は惑星の固体表面よりも大気中でよく散乱,反射されるので,大気をもつ金星,地球や大惑星のアルベドは大きく,大気のない水星,月,小惑星や,大気の薄い火星の値は小さい。木星の衛星で値の大きいものは表面が氷におおわれているからである。
執筆者:田鍋 浩義(2)原子力工学では,異なる二つの媒質A,Bの境界において,BからAに入射している中性子の流れ密度Jinに対するAからBに流出してくる中性子の流れ密度Joutの比Jout/Jinを媒質Aのアルベドという。
執筆者:近藤 駿介
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