パース(オーストラリア)(読み)ぱーす(英語表記)Perth

翻訳|Perth

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

パース(オーストラリア)
ぱーす
Perth

オーストラリア西部、ウェスタン・オーストラリア州の州都。面積5386平方キロメートル、人口133万9993(2001)で人口は同国第4位の都市。同州南西部、ダーリング山脈背後にしてインド洋に面したスワン川河口付近に位置する。地中海式気候Cs)で、平均気温は最暖月(2月)24.9℃、最寒月(7月)13.1℃、年降水量は745ミリメートル。市街地は23の地方自治体にまたがる。この市街地にクイナナなど周辺の都市を加えたパース都市圏の人口は同州の7割余りを占め、州都として政治、経済、文化の機能が集中する。クイナナの重化学工業を中心に、工業の雇用者数、生産額はともに州の8割前後を占める。ウェスタン・オーストラリア大学(1913創立)、マードック大学(1974創立)がある。国際空港があり、国内主要都市やシンガポールはじめ海外各地と連絡している。また、大陸横断鉄道西端の地で、道路も集中する交通の要衝

 都心部にあたる狭義のパース市は河口から約20キロメートル上流のスワン川北岸に位置し、とくにセント・ジョージ・テラス通りに官庁、企業のオフィスが集中する。河口のフリマントルはその南のクイナナとともに港湾工業地区で、ウェスタン・オーストラリア州輸入量の約8割を取り扱う。

 1829年自由入植地とされ、流刑者導入期(1850~68)を経て、1890年代の金鉱ブームや1960年代以降の鉱産資源開発により急成長した。名称は入植当時のイギリス植民地大臣の出身地であるスコットランドパースシャー(旧県)に由来する。

[谷内 達]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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