ペキン(北京)直轄市(読み)ペキン(英語表記)Beijing

翻訳|Beijing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペキン(北京)〔直轄市〕
ペキン
Beijing

中国の首都。国の直轄市で,16区と 2県からなる。ホワペイ(華北)平原の北端にあって,北半はイエンシャン(燕山)山脈,西部はタイハン(太行)山脈が占める。南部はヨンティン(永定)河,北東部はチャオパイ(潮白)河の流域の平野である。気温の年較差が大きく,平均気温は 7月は 25.1℃に達し,1月は-4.2℃に下がる。年平均降水量は 635mmで,夏季に集中する。中心市街地はヨンティン河の扇状地上にあり,華北地方と東北地方,内モンゴル(蒙古)高原を結ぶ交通の要衝として,古代から知られていた。戦国時代にはの国都で薊(けい)と呼ばれ,以後も軍事,商業の要地で,では陪都,金では中都であった。で国都となってからは,初のナンキン(南京)遷都の時期を除いて,中国の首都の地位を保った。市街の中心はティエンアンメン(天安門)広場で,西を人民大会堂,東を中国革命歴史博物館,北をチョンシャン(中山)公園と労働人民文化宮が囲む。その北に元以降の皇城である紫禁城故宮博物院となって公開されている。繁華街はその周辺にあり,各種の博物館,体育館,美術館,公園などの文化・行楽施設も多い。城壁はほとんど撤去されて,並木のある道路が郊外に延びている。北西郊は北京大学,清華大学および中国科学院,社会科学院に属する各研究所のある文教地域で,の離宮頤和園(万寿山)もある。中華人民共和国成立前は消費都市の性格が強かったが,以後は中国屈指の総合工業都市となっている。西部のメントウコウ(門頭溝)区とファンシャン(房山)区には炭鉱が多く,ホーペイ(河北)省ロンイエン(竜煙)鉄鉱山も近いために,シーチンシャン(石景山)区の鉄鋼コンビナートをはじめとする金属,機械などの重工業,石油化学工業が立地する。南郊と東郊には化学,電機,製紙などの工場が集まる。そのほか電子機器,精密機械や合成繊維,天然繊維など,多種の消費財も生産されている。七宝,象牙細工,漆器など伝統工芸も盛んである。水害と干魃が絶えなかったが,1953年以後ヨンティン河にコワンティン(官庁)ダム,チャオパイ河にミーユン(密雲)ダムと,いずれも大型の多目的ダムがつくられ,さらに多数の排水路,灌漑水路が引かれた。農業はコムギ,トウモロコシ,コーリャンのほか水稲の栽培面積が増えている。近郊野菜の栽培が特に盛んであり,ナシ,モモ,リンゴ,ナツメ,ブドウなど果樹栽培も増大している。北部の山地はチュントー(軍都)山,西部の山地はシー(西)山と総称され,景勝地や史跡に富む。特に明の歴代皇帝をまつる明十三陵と,万里の長城を展望できるパーター(八達)嶺が有名である。全国の鉄道網,航空路網,道路網の中心であるとともに,ベトナムのハノイ,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のピョンヤン(平壌)特別市,モンゴルのウラーンバートル,ロシアのモスクワとの間には国際列車が発着し,ペキン空港と外港のテンチン(天津)新港を通じて諸外国と結ばれる。面積 1万6800km2。人口 1961万2368(2010)。

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