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マイクロ波 マイクロはmicrowave

翻訳|microwave

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マイクロ波
マイクロは
microwave

マイクロウェーブともいう。波長約 30cmから 1mm以下のサブミリ波までの領域の電磁波。アンテナには波長に比べて少し大きな放物面反射鏡や電磁ホーンが用いられ,テレビジョン用の電波より指向性がよい。この電波を用いて初めてレーダができた。マグネトロン,速度変調管,メーザーなどで発振増幅を行う。伝送には導波管空洞共振器などの立体回路が使用される。周波数が高いので,送りうる情報量は多く,多重通信やテレビジョン中継に使われる。そのほか,電波分光学など物理・化学研究にも用途が広い。電子レンジでは波長 12cm (2450MHz) ,出力数百W以上のマイクロ波で水分の吸収による加熱を行う。レーダなどにも使われる高出力のマイクロ波を目に照射すると,そこひの原因になることがあるが,金網などでシールドすれば防ぐことができる。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

マイクロ波

波長が短い周波数帯の電波を指し、まっすぐ進む性質が強く、大容量のデータ伝送に向いている。降雨などの悪天候のもとでも電波の伝達速度に遅れは生じない。携帯電話や無線LAN、船舶レーダーのほか、電子レンジでも利用されている。

(2016-03-19 朝日新聞 朝刊 1経済)

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百科事典マイペディアの解説

マイクロ波【マイクロは】

正確に定義された呼称ではなく,使用目的によって周波数帯が異なるが,狭義には波長約10〜1cm,周波数3〜30GHzの電磁波を指す。センチメートル波とも。広義にはUHF帯をも含む。
→関連項目第二電電[株]多重通信テレビジョン電波標識電話パラボラアンテナマイクロ波凝固治療マイクロ波多重通信マイクロ波着陸装置ミリ波立体回路

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栄養・生化学辞典の解説

マイクロ波

 極超短波ともいう.波長1m以下,1mm付近までの電波で,通信,レーザーなどに使われる.いわゆる電子レンジもこの範囲の波長を使う.

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世界大百科事典 第2版の解説

マイクロは【マイクロ波 microwave】

極超短波ともいう。正式に定義された呼称ではなく,一般にUHF帯(300~3000MHz)ならびにSHF帯(3000~3万MHz)の両者の総称,あるいは約1000MHzから1万MHz程度までのやや漠然とした周波数範囲をいう。マイクロ波通信という場合は前者の範囲をいう。しかし後者のように漠然とした範囲を指す場合も多い。マイクロ波帯は固定通信,衛星通信,レーダーなどに広く利用されている。電波宮川 洋】

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大辞林 第三版の解説

マイクロは【マイクロ波】

慣用的な電波区分で、波長1~10センチメートル(周波数3~30ギガヘルツ)の電波。テレビの遠距離中継や衛星通信・放送などに用いる。センチメートル波。 SHF 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マイクロ波
まいくろは
microwave

電波を利用上の便宜から波長によって分類したものの一つ。波長の範囲はおおよそ1メートルから1ミリメートル、周波数では300メガヘルツから300ギガヘルツまでの電波の範囲をさすが、この範囲は国際電気通信連合(ITU)憲章の無線通信規則や国内法の電波法施行規則で決められたUHF(デシメートル波)、SHF(センチメートル波)、EHF(ミリメートル波)のすべてを含む帯域にあたる。つまりマイクロ波という分類は、これらの法規によって決められたものではなく、世界中の関係者によって1930年ころから呼び習わされてきたものなのである。
 超短波を上回る高い周波数の発振に成功し、通信回線の広帯域化、多重化を達成した研究者や技術者たちが、その晴れがましさから、この波長帯を表すには不適当な単位で命名し、誇り高くマイクロ波とよんでしまったものである。内外の文献でマイクロ波とよばれているのは、ほとんどがUHFからSHFの範囲であり、命名当時、EHF帯が実用になることは予想外であったと思われる。当時、実現できた最短の波長帯であったこの周波数帯は、あらゆる無線通信技術に応用された。一例を示せば、レーダー、マイクロ波着陸システム(MLS)、マイクロ波中継、放送番組中継、衛星通信、衛星放送、電波天文学、気象衛星、リモート・センシング(遠隔探査)、無線LANなどであり、利用可能な最高の周波数という意味でその名にふさわしい活躍ぶりである。なお、2012年(平成24)の総務省の文書では、3ギガヘルツから30ギガヘルツの範囲、すなわち、SHFに相当する範囲をマイクロ波とよんでいる。[石島 巖]

マイクロ波電子管

送受信のアンテナも、指向性がよく効率も良好な八木‐宇田アンテナや小型のパラボラアンテナ(回転放物鏡アンテナ)が使用できるため、送信電力をあまり大きくする必要はない。これらの波長の利用を可能にした発振素子は、マグネトロン(磁電管)、クライストロン(速度変調管)、進行波管(TWT:traveling wave tube、またはTW管)などの電子管である。
 初歩的な二極マグネトロンはゼネラル・エレクトリック(GE)社のA・W・ハルによって1921年に発明され、実用になる多分割陽極型マグネトロンは東北帝国大学(現、東北大学)の岡部金治郎が1927年に発明した。この素子は3ギガヘルツから10ギガヘルツの発振に適し、強力なレーダーの送信パルス(船舶用は9375メガヘルツ)の発生に必需である。
 クライストロンはドイツのハイル夫妻(オスカーOskar Heil、1908―1994およびアグニェッサ・アルセーニェバAgnesa Arsenjewa Heil、1901―1991)によって1935年に発明された。この周波数帯における低電力、低雑音の連続波発振器として、レーダー受信部の局部発振器として重用された。その後、大型化に成功してマイクロ波中継回線用の送信機(1950~1960)として活躍したほか、テレビの中継放送局用のUHF送信機としても活躍した。
 TWTはイギリスのコンフナーRudolf Kompfner(1909―1977)が1943年に発明した。テレビ衛星中継(1960年代)における衛星側に搭載される低故障率の電子管として使用され、2010年代においても放送衛星に搭載される唯一の電子管として活躍している。
 電子レンジという調理器具はアメリカではマイクロウェーブとよばれる。その名のとおり電子レンジの熱の発生源は、マイクロ波を発生する数百ワットのマグネトロンである。電子レンジの周波数は世界的に2450メガヘルツが標準であるが、アメリカでは915メガヘルツが標準となっている。強力なマイクロ波が被調理食品に含まれる水に作用して効率よく加熱することができる。[石島 巖]

ミリ波帯の実用化

1980年ころには、ミリ波帯の周波数もしだいに発振可能となり、低雑音の増幅素子も開発されるようになったので、マイクロ波という概念にはミリ波帯も含むようになってきた。40ギガヘルツ程度まではマグネトロンやクライストロンが使用できるが、それ以上になるとガンダイオード、YIG、インパットダイオードなどの発振器やジャイロトロンのような大型装置が必要になる。
(1)ガンダイオード Gunn diode。イギリスのガンJohn Battiscombe Gunn(1928―2008)がアメリカで1963年に発明した。ヒ化ガリウム(ガリウムヒ素ともいう)GaAsを用いたn形半導体によるダイオードで、100ギガヘルツまでの発振が可能。これを逓倍(ていばい)(入力周波数の高調波に同調させることによって整数倍に変換すること)150ギガヘルツ程度まで使用できる。出力は30ミリワット程度が得られる。
(2)YIG発振器 YIGはイットリウムyttrium、鉄iron、ざくろ石garnetの略。これらの材料で小さな真球をつくり磁界のなかに置くと高い周波数で発振する。発振周波数を磁界の強さで変化させることができ、3.6ギガから8.4ギガヘルツの範囲で発振する。出力は30ミリワット程度であり、逓倍により90ギガから105ギガヘルツのミリ波の周波数が得られる。
 YIGに関連する磁化球形フェライトの共振についての論文が1957年にディロンJ. F. Dillon Jr. によって、また1959年にフレッチャーFletcherとベルBellによって発表されているが、発明者についてはさだかではない。2013年の時点では、製品自体は世界各国で生産され有効に普及しており、携帯電話の発振素子としても使用されている。
(3)インパットダイオード IMPATT diode(impact ionization avalanche transit time diode)。電子雪崩(なだれ)現象を用いて負性抵抗特性を出現させる発振器である。発振周波数は3ギガから100ギガヘルツ以上が得られ、数百ミリワットのものから数ワットの大出力のものもある。アバランシェavalanche(雪崩)現象は1954年にW・B・ショックレーが発見。それを用いたインパットダイオードの研究が、1958年にベル研究所のリードW. T. Readによってなされ、1966年にリーC. A. Leeが確認し完成したとされている。
(4)ジャイロトロン gyrotron。ソ連の研究者達がマグネトロンの入射電子銃(MIG:Magnetron Injection Gun)を使ってサイクロトロン・レゾナンス・メザー(CRM:Cyclotron-resonance maser)の性能を向上させた(1958年ころ)もので、磁場に沿って高速度で回転する電子の運動をエネルギー源として、大出力のマイクロ波を発生させることに成功した。国際熱核融合実験炉(ITER(イーター):International Thermonuclear Experimental Reactor)の主加熱装置として、日本、アメリカ、EU(ヨーロッパ連合)、中国、韓国、ロシア、インドが協力して強力なミリ波帯の大電力発振器を開発し、フランス南部のカダラッシュに建設中である(2019年に完成の予定)。その開発の目標は、発振周波数170ギガヘルツ、最大出力2メガワットである。ジャイロトロンの小型化も各国で研究されており、強力なマイクロ波によってロケットを推進する装置の開発が日本においても進められている。[石島 巖]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内のマイクロ波の言及

【電子レンジ】より

…通信にも利用されるマイクロ波帯の電磁波を使って食品を加熱調理する器具。1955年アメリカのレーセオン社が商品化,日本では61年国産1号機が作られた。…

※「マイクロ波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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