(読み)トウ

デジタル大辞泉 「倒」の意味・読み・例文・類語

とう【倒】[漢字項目]

常用漢字] [音]トウタウ)(呉)(漢) [訓]たおれる たおす
立っていたものがひっくりかえる。たおれる。たおす。「倒壊倒産倒幕倒木昏倒こんとう卒倒打倒転倒
さかさま。「倒置倒立
程度状態がはなはだしいことを表す語。「驚倒傾倒絶倒罵倒ばとう

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精選版 日本国語大辞典 「倒」の意味・読み・例文・類語

たおれたふれ【倒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「たおれる」の連用形名詞化 )
  2. [ 1 ]
    1. たおれること。また、屈すること。
      1. [初出の実例]「恋の山には孔子(くじ)のたうれ」(出典源氏物語(1001‐14頃)胡蝶)
    2. 貸した金などが取り戻せないこと。貸しだおれ。損失損害
      1. [初出の実例]「さがが死ぬると大きなたふれ」(出典:浄瑠璃・生玉心中(1715)下)
  3. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 (「だおれ」の形で)
    1. その事に限度を越えて金を使い、財産をなくしてしまうこと。「着倒れ」「食い倒れ」
    2. うわべだけで、期待されるような内容を伴わないこと。「看板倒れ」「評判倒れ」

たおしたふし【倒】

  1. 〘 造語要素 〙 ( 動詞「たおす」の連用形から ) 体言に付けて用いる。
  2. 実質が伴わないのにその事物相手を屈伏させる意を表わす。「見かけ倒し」「からだ倒し」「正直倒し」など。
  3. 限度を越えてその事をする者の意を表わす。「食らい倒し」

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普及版 字通 「倒」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] トウ(タウ)
[字訓] さかさま・たおれる・しぬ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は到(とう)。到の初文はに作り、占地のために放った矢の到達点に至る意。そこから引き返すことを倒という。〔説文新附〕八上に「仆(たふ)る」とあり、倒の意とするが、倒逆を初義とする字。は向こうから来る人を逆(むか)える意。(ぎやく)は大の倒形。倒逆の意より倒の意となる。

[訓義]
1. さかさま、さかさまにする。
2. たおす、たおれる、ころぶ。
3. しぬ。

[古辞書の訓]
名義抄〕倒 タフル・クツガヘル・クツガヘス・サカシ・サカサマ・カタブク・カヘリテ・アフ/潦倒 ホホケタル・ユヒダル

[語系]
倒・到tは同声。アクセントをかえて往反の義としたもので、対待の義をなす語である。

[熟語]
倒運・倒暈倒景・倒影倒戈倒臥・倒回・倒壊・倒・倒君倒挈・倒懸・倒巻・倒県・倒言・倒語・倒行・倒載・倒錯・倒産・倒・倒床倒睫・倒・倒心・倒井・倒装・倒大・倒・倒卓・倒断・倒植・倒置・倒躓・倒底・倒倒頓・倒敗・倒反・倒斃・倒落・倒瀾・倒履・倒立・倒流・倒惑
[下接語]
圧倒・既倒・驚倒・傾倒・蹶倒・昏倒・推倒・酔倒・絶倒・卒倒・打倒・転倒・倒・罵倒・反倒・翻倒・潦倒

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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