入魂(読み)じゅこん

精選版 日本国語大辞典 「入魂」の意味・読み・例文・類語

じゅ‐こん【入魂】

〘名〙 (形動) (「じゅ」は「入」の慣用音)
① あることがらについて了解を求めるため、前もって申し入れ、親しく話をすること。
平戸記‐仁治三年(1242)正月一九日「関東飛脚到来之由風聞。此定可廷引歟之由申之〈件事予所入魂也〉」
② とりわけ親密であること。また、そのさま。懇意昵懇(じっこん)。じゅっこん。じっこん。
源平盛衰記(14C前)三五「木曾殿の樹根(ジュコン)の郎等にはよもあらじ

にゅう‐こん ニフ‥【入魂】

〘名〙
物事精魂をかたむけること。「入魂の芸術
神仏や霊を呼び入れること。また、あるものに魂を入れること。
③ とりわけ親密であること。→じゅこん

じゅっ‐こん【入魂】

〘名〙 (形動) =じゅこん(入魂)②〔いろは字(1559)〕
評判記色道大鏡(1678)五「工夫をもってかれにむかふ時、一たび女郎の入魂(ジュッコン)にもれ、二たび懇志の色あひ他にあらはるるにしたがひ」

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デジタル大辞泉 「入魂」の意味・読み・例文・類語

にゅう‐こん〔ニフ‐〕【入魂】

精魂を注ぎこむこと。「入魂の技」「一球入魂
そのものに魂を呼び入れること。「彫りあげた仏像入魂する」
[類語]懸命命懸け必死死に物狂い捨て身大わらわ躍起決死不惜身命ふしゃくしんみょう大車輪八面六臂一所懸命一生懸命全力総力死力渾身全身全霊

じっ‐こん【入魂】

[名・形動]《「じゅこん(入魂)」の音変化》「昵懇じっこん」に同じ。
介錯は―の山伏の由に候」〈鴎外・興津弥五右衛門の遺書

じゅっ‐こん【入魂】

[名・形動]親密であること。また、そのさま。じゅこん。「入魂な(の)間柄

じゅ‐こん【入魂】

親しく交際していること。懇意。昵懇じっこん

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