中世の「いっしょけんめい(一所懸命)」が、近世に入って転じたもの。これには中世における武士主体の土地領有の観念が、近世の町人主体の貨幣経済主体の時代にはそれほど切実なものとは感じられなくなっていった、という時代の推移があること、「一生」という語が近世では、「一生にわたって」という長期的なものよりは、「一生の」という形で「生涯に一度しかないほど重大な」という意味に重点が移ったこと、などが大きく関与していたと考えられる。→「一所懸命」の語誌
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報