大童(読み)オオワラワ

デジタル大辞泉 「大童」の意味・読み・例文・類語

おお‐わらわ〔おほわらは〕【大▽童】

[名・形動]
1 《2が原義》一生懸命になること。夢中になってことをすること。また、そのさま。「記念式典の準備に大童な役員たち」
2 髷まげの結びが解けて髪がばらばらになっていること。また、そのさま。童は髪を結ばなかったところから、大きな童の意でいい、多く、ざんばら髪で奮戦するさまに用いる。
「石切といふ太刀ぬいて―になり」〈平治・下〉
[類語]命懸け・必死・死に物狂い・捨て身・懸命・躍起・決死・不惜身命ふしゃくしんみょう・大車輪・八面六臂・一所懸命・一生懸命・全力・総力・死力・渾身・入魂・全身全霊・目まぐるしい・忙しい・急・せわしい・せわしない・気ぜわしい・慌ただしい・きりきり舞い・東奔西走・てんてこ舞い・多忙・繁忙・繁多・繁劇・多事多端・多用・繁用・席の暖まる暇いとまもない・猫の手も借りたい・そそくさ・せかせか・性急・拙速・多端・忙殺・怱忙そうぼう・倥偬こうそう・怱怱そうそう・大忙し・取り紛れる・手が塞がる・目が回る・応接に暇いとまがない・心急せく・あくせく・こせこせ・ばたばた・せっかち・あたふた・気早・気早い・貧乏暇無し・甲斐甲斐かいがいしい・そわそわ・右往左往・慌てふためく・動き回る・ちょこまか・うそうそ・倉卒・押せ押せ・てんやわんや・やいのやいの・催促がましい・せつく・迫る・要求する・強請する・強迫する・強談ごうだんする・催促する・催告する・責め立てる・せがみ立てる・急き立てる・急かせる・尻を叩く・矢の催促・ああ言えばこう言う・揚げ足を取る・あげつらう・言いたい放題・言い立てる・うるさい・うるさ型・鸚鵡おうむ返し・かき口説く・がたがた・がみがみ・くそみそ・くだくだ・ぐだぐだ・くだくだしい・口うるさい・口が減らない・口が悪い・口汚い・口さがない・口幅ったい・口任せ・口やかましい・くどい・くどくど・くどくどしい・クレーマー・けちを付ける・喧喧囂囂けんけんごうごう・口角泡を飛ばす・小うるさい・ごてごて・小やかましい・懇懇・嘖嘖さくさく・舌長・しちくどい・四の五の・重箱の隅をつつく・諄諄じゅんじゅん・針小棒大・ずけずけ・ずばずば・たらたら・ちくちく・喋喋ちょうちょう・丁丁発止・つべこべ・滔滔とうとう・どうのこうの・とやかく・なんのかの・ねちねち・ねっちり・ぶすぶす・ぶつくさ・ぶつぶつ・べちゃくちゃ・ぺちゃくちゃ・ぼろくそ・まくし立てる・回りくどい・耳に胼胝たこができる・蒸し返す・やいやい・やかましい・やかまし屋・重箱の隅を楊枝ようじでほじくる・ちゃかちゃか・浮き腰・もじもじ・もぞもぞ・まごまご・うろうろ・うろちょろ・おたおた・ふわふわ・ふらふら・頓狂・さっさ・浮うわつく・きょろきょろ・きょときょと・軽軽しい・軽軽けいけい・軽挙・軽挙妄動・そそっかしい・軽はずみ・手当たり次第・書き入れ時・立て込む

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精選版 日本国語大辞典 「大童」の意味・読み・例文・類語

おお‐わらわおほわらは【大童】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 年長者で理髪をせず、加冠しないままに幼童の風を残している姿。
    1. [初出の実例]「長季は宇治殿若気也。仍大童まで不レ加二首服一云々」(出典:古事談(1212‐15頃)二)
  3. ② ( 形動 ) 髪の結びが解けて、乱れ垂れること。武士が戦場で兜を失い、髪を頬や肩に垂らした姿になること。乱髪。また、物がそのように乱れたさま。童はもと髪を結ばなかったので、大きな童の髪の意からいう。
    1. [初出の実例]「冑も落ちて大わらはになり給ふ」(出典:平治物語(1220頃か)中)
  4. ③ ( 形動 ) 事に臨んでいっしょうけんめいに活動するさま。夢中になって事をすること。
    1. [初出の実例]「髪を打みだいて、大わらわになって祭りをないたぞ」(出典:玉塵抄(1563)三二)
    2. 「検査のすんだ荷物を大童(オオワラワ)でスーツケースに詰めこんで」(出典:月は東に(1970‐71)〈安岡章太郎〉二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大童」の意味・わかりやすい解説

大童
おおわらわ

髻(もとどり)を解いた髪。肩のあたりまで垂れたさまが、童の髪姿に似ているところからいう。室町末期に来日したキリスト教宣教師は、vōuaraua「髪はばらばらに解け、着物はしまりなくはだけなどして、身なりの乱れている」(『日葡(にっぽ)辞書』)と認識しているが、次の三つの使い分けがみられる。(1)年長者の理髪しない若風の髪形。「長季は宇治殿若気也。仍(すなわち)大童まで不加首服云々」(『古事談』)。(2)軍記物語などで、奮戦する武者姿の描写によく用いられている。「鎧(よろい)の草摺(くさずり)かなぐり捨て、胴ばかり着て、大童になり、大手を広げて立たれたり」(『平家物語』「能登殿最期」)。(3)転じて、一心不乱に物事に打ち込むさまをいう。「三人とも大童になつて、おもしろさうに飲み始め」(尾崎紅葉『二人女房』)、「漁師町では例年通りその準備に大童だったが」(吉村昭(あきら)『戦艦武蔵(むさし)』)。

[岡田袈裟男]

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世界大百科事典(旧版)内の大童の言及

【成年】より

…元服以前の男子年少者はなにもかぶらず,頂(いただき)を露(あら)わしたままでいた。これを童(わらわ)といい,年齢的には成長していても,加冠の式を経ない者は大童(おおわらわ)と呼んで,一人前とはみなされなかった。成年式は平安朝の宮廷貴族における通過儀礼の中でも特に重要視され,最も厳粛かつ盛大な儀式によって行われ,文学作品では男女ともに〈大人になる(なす)〉という表現を用いている。…

※「大童」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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