(読み)キン

デジタル大辞泉 「勤」の意味・読み・例文・類語

きん【勤】[漢字項目]

[音]キン(漢) ゴン(呉) [訓]つとめる つとまる いそしむ
学習漢字]6年
キン
力を尽くしてつとめはげむ。「勤勉勤労精勤忠勤
勤め先で仕事をする。勤め。「勤続勤務皆勤外勤欠勤在勤出勤常勤退勤通勤転勤夜勤
(「きん」の代用字天子主君にお目にかかる。「参勤
ゴン〉つとめはげむ。特に、仏のためのお勤め。「勤行ごんぎょう恪勤かくごん
[名のり]いそ・いそし・つとむ・とし・のり

ごん【勤】[漢字項目]

きん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勤」の意味・読み・例文・類語

いそし【勤】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙
  2. よく勤め励んでいる。勤勉だ。
    1. [初出の実例]「黒木取り草(かや)も刈りつつ仕へめど勤(いそしき)わけと誉(ほ)めむともあらず」(出典:万葉集(8C後)四・七八〇)
    2. 「いとかやすくいそしく〈略〉宮仕へしありきて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
  3. 忙しい。せわしい。
    1. [初出の実例]「海士(あま)人のいそしく帰るひじきものはこにし蛤(はまぐり)寄居虫(がうな)細螺(しただみ)」(出典:山家集(12C後)下)
    2. 「心いそしく来て見れば」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)二)

勤の語誌

「万葉‐七八〇」などの例から見ても、古くは精勤のさまをいったと考えられる。室町期の古注釈「源氏和秘抄」では、「源氏‐行幸」のこの部分を「いそしく いそがしくなり」と注しており、この頃にはすでにの忙しいの意が中心であったことが知られる。

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普及版 字通 「勤」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
人名用漢字 13画

[字音] キン・ゴン
[字訓] つとめる・いそしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(きん)。飢饉のとき巫を焚いて祈る形。力は耒(すき)の象形。農耕のことに勤苦することをいう。〔説文〕十三下に「勞するなり」とあり、勞(労)もまた力に従う。金文の意に用い、〔宗周鐘〕「王(はじ)めて武の(つと)めたまへる疆土を省(いつせい)す」、また〔単伯鐘(ぜんはくしよう)〕「大命に勳せり」のようにいう。の初文とみてよい。もと飢饉を救うために特に奔走勤労する意であろう。

[訓義]
1. つとめる、いそしむ。
2. つとめ。
3. うれえる、つかれる。
4. ねぎらう、ねんごろ、慇懃

[古辞書の訓]
名義抄 ツトム・ツツシム・ワヅカニ・ネムゴロ・イタハル 〔字鏡集〕 ハゲマス・イタハル・ツトム・ワカツ・ツクス・ツツシム・ネムゴロ・ワヅカニ

[声系]
声の字に懃があり、〔説文〕未収。〔広雅、釈言〕に「なり」とみえる。「慇懃」のように用いる。

[語系]
ginは同声。(謹)kinも同系の語。みな飢饉に関する意のある字である。

[熟語]
勤営・勤役勤王・勤介・勤快勤恪勤愨・勤学・勤勧・勤幹・勤企勤匱・勤勤・勤謹勤緊・勤苦勤劬・勤劇勤倹・勤・勤拳勤虔・勤行・勤懇・勤察・勤思・勤止勤仕・勤志・勤事勤粛勤恤・勤譲勤辱・勤身・勤慎・勤瘁・勤精・勤整・勤属・勤惰・勤佇・勤直・勤勅・勤篤・勤納・勤能・勤・勤敏・勤奮・勤勉・勤約・勤略・勤力・勤励・勤・勤練・勤労
[下接語]
意勤・逸勤・殷勤・皆勤・外勤・恪勤・学勤・劬勤・勲勤・敬勤・欠勤・勤・倹勤・虔勤・功勤・思勤・勤・修勤・粛勤・常勤・心勤・辛勤・尽勤・清勤・誠勤・精勤・専勤・忠勤・通勤・転勤・篤勤・内勤・農勤・服勤・奉勤・夜勤・憂勤・力勤・労勤

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