(読み)エイ

デジタル大辞泉 「営」の意味・読み・例文・類語

えい【営〔營〕】[漢字項目]

[音]エイ(漢) [訓]いとなむ
学習漢字]5年
計画に従って物事や事業を行う。いとなむ。「営業営利運営経営公営国営市営私営設営造営直営民営
軍隊のとまる所。陣屋。とりで。「営所軍営陣営入営兵営本営野営柳営
[名のり]のり・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「営」の意味・読み・例文・類語

いとなみ【営】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いとなむ(営)」の連用形の名詞化 )
  2. 忙しく物事をすること。いとなむこと。仕事。つとめ。
    1. [初出の実例]「暇なき折りに菊の露をかこち寄せなどやうのつきなきいとなみに逢はせ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  3. 生活のためにする仕事。生業。商売。なりわい。
    1. [初出の実例]「いとあはれなるおのがじしのいとなみに、起き出でて、そそめきさわぐも、程なきを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
    2. 「手を空くせざるのみの活業(イトナミ)なり」(出典:随筆・北越雪譜(1836‐42)初)
  4. 物事を実施すること。施行。
    1. [初出の実例]「いとなみいつしかと待つ事の、さはりあり、俄かにとまりぬる」(出典:枕草子(10C終)九八)
  5. 特に、神事、仏事を行なうこと。
    1. [初出の実例]「常に波若を以て務(イトナミ)と為し」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
    2. 「三月二十四日には初七日の営(イトナ)みがあった」(出典:阿部一族(1913)〈森鴎外〉)
  6. 男女関係、性生活などにいう。「愛の営み」

えい【営】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いとなみ。仕事をすること。現代では、多く「営業・経営・自営・民営」など熟合した形で用いられる。〔韋応物‐幽居詩〕
  3. 軍隊の宿舎。陣屋。兵営。陣営。
    1. [初出の実例]「将隼人廿四人并軍士四千人今月廿二日発渡、令板樻営」(出典:続日本紀‐天平一二年(740)九月戊申)
    2. [その他の文献]〔史記‐淮陰侯伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「営」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)營
17画

[字音] エイ
[字訓] いとなむ

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は營に作り、(えい)声。(えい)と呂に従う字である。金文に作り、火(たいまつ)を組んだ形で、庭燎(にわび)。軍営や宮殿にこれを(めぐ)らした。呂は建物の相接する平面形。〔説文〕七下に字を宮に従う形とし、また「市居なり」とする。「市居」は「居(そうきょ)」の字の誤りであろう。

[訓義]
1. 軍営、陣営、宮殿、住居。営造のものをいう。
2. そのような建造物を造営することをいう。営む、経営する、つくる。
3. 火をめぐらす意より、めぐる、めぐらす。
4. 営域さかい
5. に通じ、まどう。

[古辞書の訓]
名義抄〕營 イトナム・ツクル・ヲサム・マトフ・イホリ・マホル・エタリ・シタガフ

[語系]
營jiueng、hiuang、iuengは声近く、は〔説文〕一上に「綿(めんぜつ)(しめ縄を張ったところ)を設けて營と爲し、以て風雨霜、水旱疫を、日星辰山川に禳(はら)ふなり」とあって、みなその声義に関連のある字である。

[熟語]
営為・営域・営宇・営運・営営・営衛・営丐・営妓・営求・営救・営業・営窟・営慧・営建・営護・営勾・営構・営魂・営柴・営塞・営作・営索・営塹・営私・営恤・営所・営書・営繞・営陣・営生営繕営巣・営喪・営造・営度・営治・営置・営築・営中・営疇・営・営田・営頓・営内・営魄・営府・営部・営兵・営・営弁・営堡・営奉・営門・営養・営乱・営利・営理営塁・営惑
[下接語]
運営・官営・禁営・軍営・経営・公営・行営・郊営・私営・自営・宿営・陣営・征営・設営・造営・築営駐営屯営・入営・幕営・府営・兵営・営・辺営・本営・民営・夜営・野営・柳営・林営・連営・露営

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android