国役(くにやく)(読み)くにやく

  • 国役

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

「こくやく」とも読む。平安末期、鎌倉時代には国司が一国内に賦課した雑役をいうが、一般には江戸時代川除普請(かわよけふしん)、日光社参、朝鮮来聘(らいへい)使の接待などに要する人足や費用を特定の国々に課して取り立てたことをさす。国役による川除普請は美濃(みの)(岐阜県)や畿内(きない)では江戸初期から行われていたが、1720年(享保5)に幕府は20万石以上の大名領を除き、関東から近畿地方の河川を対象にこれを制度化した。普請費用は10分の1が幕府の負担、残余は特定の国々から高割で徴収された。のち一時中止され、1758年(宝暦8)に再開され明治期に及んだ。日光社参は宿場の人馬を多量に必要としたので、幕府はその費用を関東や中山道(なかせんどう)、東海道の沿国16か国に課した。また来聘使の接待・費用は大名に課したほか、全国から高割で徴収された。

[大谷貞夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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