(読み)ウナテ

デジタル大辞泉の解説

うな‐て【溝】

田や畑に水を引くみぞ。
「神田(みとしろ)に潤(つ)けむと欲(おもほ)して―を掘る」〈神功紀〉

こう【溝】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウ(漢) [訓]みぞ どぶ
掘った水路。「溝渠(こうきょ)側溝排水溝
細長いくぼみ。「海溝・索溝」

せせなぎ【溝】

《古くは「せせなき」》
せせらぎ」に同じ。
「数罟(さくこ)の細密なるを以て―たなもとまで魚の小さいを捕るは」〈四河入海・一三〉
どぶ。下水。せせなげ。
「我が首討って溝(みぞ)―へも踏み込み」〈浄・関八州繋馬〉

せせなげ【溝】

せせなぎ2」に同じ。
「今の身は―に流れる米粒を食ってゐれどな」〈滑・浮世床・二〉

どぶ【溝】

雨水・汚水などが流れるみぞ。

みぞ【溝】

水を流すため、地面を細長く掘ったもの。「にはまる」
細長いくぼみ。「鴨居(かもい)の」「レコードの
人と人との間の意見・感情などのへだたり。「夫婦間のが深まる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

こう【溝】

数の単位。穣じようの1万倍。すなわち10の32乗。 〔塵劫記〕

せせなぎ【溝】

せせらぎ」に同じ。 〔名義抄〕
どぶ。溝みぞ。せせなげ。 「 -の傍に立寄り/甲陽軍鑑 品四八

どぶ【溝】

雨水や汚水などの流れるみぞ。下水のみぞ。下水。 「 -をさらう」
釣りで、淵ふちのこと。

みぞ【溝】

水を流すために地面を細長く掘ったもの。どぶ。
敷居や鴨居などに掘った細長いくぼみ。
人と人との間の感情や関係に生じた隔て。障害。ギャップ。 「両国間の-が深まる」
本の部分の名。本製本で、表紙の平と背の境目にあるくぼんだ部分。本の開きをよくする。 → 製本

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

うな‐て【溝】

〘名〙 (「うなで」とも) 田にひく用水を通すみぞ。
※書紀(720)皇極二年八月(岩崎本訓)「溝涜(ウナテ)の流(みづ)、亦復凝結(こほ)れり」

こう【溝】

〘名〙 ほりわり。ほり。みぞ。〔春秋左伝‐哀公九年〕

せせなぎ【溝】

〘名〙 (古くは「せせなき」か)
① どぶ。溝。下水流し元の小溝。せせなげ。〔観智院本名義抄(1241)〕
※俳諧・犬子集(1633)一七「白き物こそ黒くなりけれ せせなきに米かす水や捨ぬらん〈貞徳〉」
② 便所。
※塵芥(1510‐50頃)「 セセナキ、雪隠・東司」
③ =せせらぎ〔字鏡集(1245)〕

せせなげ【溝】

〘名〙 =せせなぎ(溝)
本福寺跡書(1560頃)大宮参詣に道幸〈略〉夢相之事「かいだう・ほり・せせなげにたふれしぬるぞ」
滑稽本・浮世床(1813‐23)二「今の身は溝(セセナゲ)に流れる米粒を食てゐれどナみさき烏が皆食て、おれが口へは這入(はいら)ぬわいのウ」

みぞ【溝】

〘名〙
① 地を細長く掘って水を通す所。
※書紀(720)斉明四年一一月(北野本訓)「長(とほ)く渠水(ミソ)を穿(ほ)りて」
※伊勢物語(10C前)七八「ある人の御曹司の前のみぞに」
② 戸・障子を通すために、敷居・かもいに掘ったくぼんだ筋。また一般に、細長くくぼんだ条線。〔五国対照兵語字書(1881)〕
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉自然に対する五分時「山面山腹の襞溝(ミゾ)に生ひたるの類は」
③ 鼻の下と上唇との間のくぼんだところ。鼻溝(はなみぞ)。人中(にんちゅう)。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
④ (比喩的に) 人と人の間にあるへだて。かかわり合う二つのものの間に生じた考え方や感情のへだたり。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「伯父は彼等を俗物視し、彼等は伯父を少狂視して、其間自ら渉り難き溝があったのだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

溝の関連情報