庇・廂(読み)ひさし

大辞林 第三版の解説

ひさし【庇・廂】

建物の外壁から差し出した、日光・雨などを防ぐための小さな片流れの屋根。のき。
寝殿造りなどで、母屋もやの外側に付加された細長い下屋げや部分。その外に簀の子縁を設ける。広縁。ひさしのま。のき。
帽子の、額の上に突き出た部分。つば。
「庇髪」の略。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ひ‐さし【庇・廂】

〘名〙
① 建物の内部で、母屋(もや)の外側の部分。母屋だけの建物が外方に発展してできたもの。ひさしのま。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※蜻蛉(974頃)下「南のひさしにいでたるに」
② 牛車の窓や家の出入口・縁側・窓などの上に突き出した、日や雨を防ぐ小屋根。
※小川本願経四分律平安初期点(810頃)「有る比丘房を作りて、四辺に檐(ヒサし)を出して、上に蘭楯を安かむと欲ふ」
③ 軍帽・学帽・鳥打帽などで、額の上に突き出ている部分。
※夜行巡査(1895)〈泉鏡花〉二「制帽の庇(ヒサシ)の下に」
④ 前髪の部分。
※歌舞伎・有松染相撲浴衣(有馬猫騒動)(1880)五幕「私も出張った庇をひっかかれ、額がひりひりいたします」
⑤ 「ひさしがみ(庇髪)」の略。
※妻(1908‐09)〈田山花袋〉二九「痩削の庇髪(ヒサシ)に結った面長な顔」

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