庇・廂(読み)ひさし

精選版 日本国語大辞典 「庇・廂」の意味・読み・例文・類語

ひ‐さし【庇・廂】

〘名〙
① 建物の内部で、母屋(もや)外側の部分。母屋だけの建物が外方に発展してできたもの。ひさしのま。〔十巻本和名抄(934頃)〕
蜻蛉(974頃)下「南のひさしにいでたるに」
牛車の窓や家の出入口縁側・窓などの上に突き出した、日や雨を防ぐ小屋根。
※小川本願経四分律平安初期点(810頃)「有る比丘房を作りて、四辺に檐(ヒサし)を出して、上に蘭楯を安かむと欲ふ」
軍帽・学帽・鳥打帽などで、額の上に突き出ている部分。
夜行巡査(1895)〈泉鏡花〉二「制帽の庇(ヒサシ)の下に」
前髪の部分。
歌舞伎有松染相撲浴衣(有馬猫騒動)(1880)五幕「私も出張った庇をひっかかれ、額がひりひりいたします」
⑤ 「ひさしがみ(庇髪)」の略。
※妻(1908‐09)〈田山花袋二九「痩削の庇髪(ヒサシ)に結った面長な顔」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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