(読み)ハ

デジタル大辞泉 「把」の意味・読み・例文・類語

は【把】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]とる たば
しっかりと手中に握る。とる。「把握把持把捉はそく
握る所。とって。「把手はしゅ銃把刀把
難読大雑把おおざっぱ把手とって

わ〔ハ〕【把】

[接尾]助数詞
束ねたものを数えるのに用いる。「まき五」「ホウレンソウ一
射芸で、矢を数えるのに用いる。矢51筋を1把とする。
[補説]上に来る数詞の末音によって、「ば(三把)」または「ぱ(六把・八把)」ともなる。

ば【把】

[接尾]わ(把)」に同じ。「ねぎ三

ぱ【把】

[接尾]わ(把)」に同じ。「薪十

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精選版 日本国語大辞典 「把」の意味・読み・例文・類語

【把】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 稲の計量単位。一〇把で一束(そく)となる。一束から奈良時代の升で米五升がとれるから、一把は五合となる。この升は今の升の十分の四程度の大きさであるから、一把は約二合(三〇〇グラム)となる。
    1. [初出の実例]「段租稲二束二把。町租稲廿二束」(出典:令義解(718)田)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 撥音のあとでは「ば」に、促音のあとでは「ぱ」になる )
    1. 一般に、たばねたものを数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「蘿菔根四把〈略〉芹四把」(出典:延喜式(927)三九)
    2. 射芸で矢を数えるのに用いる。矢五一筋を一把とする。〔甲陽軍鑑(17C初)〕
    3. 江戸時代、金一分の単位を表わす。
      1. [初出の実例]「三次一分載せる『兄貴たった一把(ハ)か』」(出典歌舞伎勧善懲悪覗機関村井長庵)(1862)四幕)

は【把】

  1. 〘 名詞 〙(かせ)をたばねてくくったものを数える単位。生糸の捻り造りしたものを三〇綛ずつ木綿の括糸で三か所結束したものをいう。生糸一俵(約六〇キログラム)は把二八~三〇個に相当する。括ともいう。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

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普及版 字通 「把」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音]
[字訓] にぎる・とる・つか・とって

[説文解字]

[字形] 形声
声符は巴(は)。巴は把手(とつて)の形。把はその把手をもつ意。〔説文〕十二上に「握るなり」とあり、掌を以て握り持つことを把握・掌握という。鳥獣のように、手足をとらえることを把捉という。

[訓義]
1. にぎる、つかむ。
2. つかみとる、とる、とらえる。
3. つか、ひとつかみ、たば。
4. とって、くまで。
5. 爬と通じ、かく。
6. (は)と通じ、ゆづか。

[古辞書の訓]
名義抄〕把 トル・ニギル・モタリ・カサカク・ツカム・タバヌ・ツクス・イタク

[語系]
把peaは秉・(柄)pyangと声近く、把手のところをもつを把、稲束などをつかみとるを秉(へい)、長い柄のもつべきものをという。

[熟語]
把握・把家・把竿・把巻把玩把戯・把琴把交把盞・把・把子・把児・把手・把酒・把色・把刃・把勢・把・把捉・把釣・把刀・把臂・把鼻・把筆・把風・把柄・把袂・把門・把与・把羅・把・把弄・把腕
[下接語]
一把・盈把・戯把・拱把・剣把・菜把・手把・掌把・酔把・刀把・稲把・入把・半把・批把・満把

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【大刀】より

…あるいは,刃を下向きにして腰に下げるものを〈たち〉とし,刃を上向きにして帯に差すものを〈かたな〉と呼ぶと説明するが,4~5世紀の大刀の佩用方法は明確でないから,これは6~8世紀の大刀と後世の日本刀との相違を述べたものにすぎない。 古墳時代の大刀は,把頭(つかがしら)などの外装部品の材質によって,木装,鹿角装,金属装などに大別することができる。金属装は,黄金,銅,金銅,鉄などを用いた外装の総称であるが,実際には一口(ひとふり)の大刀に,部品によって各種の金属を併用することも多い。…

※「把」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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