(読み)ボ

デジタル大辞泉 「暮」の意味・読み・例文・類語

ぼ【暮】[漢字項目]

[音](漢) [訓]くれる くらす
学習漢字]6年
日が西に隠れて暗くなる。夕方になる。ゆうぐれ。「暮景暮色旦暮朝暮日暮薄暮
一つ時期が終わりになる。終わりの時期。「暮春暮年歳暮せいぼ・さいぼ
難読野暮やぼ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「暮」の意味・読み・例文・類語

くれ【暮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「くれる(暮)」の連用形名詞化 )
  2. 太陽が沈みはじめて暗くなりかけた頃。夕暮れ日暮れ。また、日の暮れること。
    1. [初出の実例]「日の具礼(グレ)に碓氷(うすひ)の山を越ゆる日は夫(せ)なのが袖もさやに振らしつ」(出典:万葉集(8C後)一四・三四〇二)
  3. ある期間の末。終わり。
    1. [初出の実例]「殿上人など、なべて、ひとつ色に黒みわたりて、物のはえなき、春のくれなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
  4. 特に、年の終わり。年末。歳暮。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「莚(むしろ)こもたたきてわめく露涙(すす)(はく)暮に死んでのけたり〈一能〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)四)

くらし【暮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「くらす(暮)」の連用形の名詞化 )
  2. 暮らすこと。時日を過ごすこと。日々の生活を送ること。多く他の語の後に付き、「ぐらし」の形で用いる。
    1. [初出の実例]「家内四人活計(グラシ)で、細君もあれば娘もある」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  3. 日々の生活。暮らし向き。口すぎ。生計。活計。なりわい。
    1. [初出の実例]「爼の鱸に水をかけながし〈里圃〉 目利で家はよい暮しなり〈馬莧〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)上)
  4. 生活を営むための費用。生活費。生計費
    1. [初出の実例]「机を持ち出して生計(クラシ)の足しの安翻訳を始める」(出典:平凡(1907)〈二葉亭四迷〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「暮」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
15画

(異体字)
11画

[字音]
[字訓] くれ・ひぐれ・よる・おそい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は(ぼ)。草間に日の入る形で、の初文。〔説文〕一下に「は日且(まさ)に冥(く)れんとするなり。日の(ばう)中に在るに從ふ。は亦聲なり」(小徐本)という。のちが多く否定詞に用いられ、暮夜の字としてが作られた。

[訓義]
1. くれ、ひぐれ、夕ぐれ。
2. よる、おそい。
3. 年老いる。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 クレヌ・オソクス・ユフベ・クル・ヒクル・クラシ・クレ・オソシ

[語系]
(墓)・makは同声。幽暗寂の意をもつ一系の語である。

[熟語]
暮靄・暮靄・暮・暮雨・暮雲・暮影・暮煙暮檐暮鶯暮笳暮霞・暮角・暮寒・暮気・暮暮暉暮禽・暮景暮鼓・暮山・暮四・暮志・暮思・暮歯・暮暮愁・暮秋・暮春・暮鐘・暮色・暮食・暮雪・暮節・暮・暮潮暮砧・暮程・暮笛・暮天暮途・暮冬・暮年・暮帆・暮風暮暮・暮夜・暮齢・暮楼
[下接語]
窮暮・澆暮・江暮・昏暮・歳暮・残暮・春暮・商暮・傷暮・晨暮・垂暮・衰暮・晴暮・夕暮・暮・旦暮・遅暮・長暮・朝暮・日暮・年暮・薄暮・晩暮・冥暮・淪暮

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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