精選版 日本国語大辞典 「更」の意味・読み・例文・類語
さら【更】
[1] 〘形動〙
① (多く「言えば」「言うも」に付けて用いる) いまさらめいたさま。わざとらしいさま。
※増鏡(1368‐76頃)三「殿・上思し惑ふさま、悲しともいへばさらなり」
② (「言えばさら」「言うもさら」の略) いうまでもないさま。当然であるさま。
※蜻蛉(974頃)下「風ふきて、ひさしううつりゆくほどに、とりすぎぬ。『さらなれば』とてかへる」
[2] 〘副〙 全く。まるで。いっこう。
※虎明本狂言・脇狂言之類序(室町末‐近世初)「このかき物さらたにんのみるべきものにあらず」
こう カウ【更】
〘名〙
※玉塵抄(1563)一〇「更は時刻を云たぞ。初夜を一更にして、よあくる時分は第五番の更ぞ」
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「火を警め更を報ずる柝木榾々更を打す」 〔杜荀鶴‐宿欒城駅却寄常山張書記詩〕
② あらためること。また、入れかえること。
※神皇正統記(1339‐43)上「代は更の義也」 〔礼記‐儒行〕
ふ・く【更】
〘自カ下二〙 ⇒ふける(更)
さら‐・なり【更】
〘形動〙 ⇒さら(更)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報