沙汰の限り(読み)サタノカギリ

デジタル大辞泉 「沙汰の限り」の意味・読み・例文・類語

沙汰さたかぎ

是非を論じる範囲をこえていること。論外。また、言語道断。もってのほか。「あんな男をリーダーに据えるとは沙汰の限りだ」「沙汰の限りを尽くす」
理非善悪問題となる範囲。
「是をだに心得ざらんは―にあらず」〈正徹物語・上〉
[類語]とんでもない途方もない途轍とてつもない突拍子もないとんだもってのほか法外大それた論外けしからん話にならない滅相もない気が知れない不始末不埒ふらち不逞ふてい罪作り邪道言語道断不心得沙汰のほか非道無道不当不所存あるまじきあろうことか一筋縄ではいかない目に余る横道身の程知らず不届き不届き至極

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「沙汰の限り」の意味・読み・例文・類語

さた【沙汰】 の 限(かぎ)

  1. 是非を論じる範囲。裁判として取り上げられる範囲。
    1. [初出の実例]「縦雖白状、無財物者、更非沙汰之限」(出典御成敗式目(1232)四条)
    2. 「是をだに心えたまはざらんは、さたのかぎりにあらず」(出典:正徹物語(1448‐50頃)上)
  2. 是非を論じる範囲を越えていること。もってのほか。論外。言語道断。沙汰のほか。
    1. [初出の実例]「不覚とも高名とも、さたのかきりとて、一の筆にぞ付けられける」(出典:義経記(室町中か)四)
    2. 「戦争自体が頗る馬鹿げたものなので、それに巻き込まれて一生懸命になる等は沙汰(サタ)限りだという事」(出典:春の城(1952)〈阿川弘之〉二)

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