とんだ(読み)トンダ

デジタル大辞泉 「とんだ」の意味・読み・例文・類語

とん‐だ

[連体]話し手判断範囲を越えていることをさしていう。
意外な。思いのほかの。「とんだ長居を致しました」
とりかえしのつかない。こまった。「とんだ失敗をしでかした」
道理にはずれた。よくない。「とんだ心得違いというものだ」
[副]たいへん。非常に。
「―可愛らしいおとなしそうなだったよ」〈柳浪・骨ぬすみ〉
[類語]とんでもない途方もないとてつもないとっぴょうしもない大それたもってのほか法外不届き邪道不逞ふてい不埒ふらち論外けしからん話にならない滅相も無い不始末罪作り言語道断不心得沙汰の限り沙汰のほか非道無道不当不所存あるまじきあろうことか一筋縄ではいかない目に余る横道身の程知らず不届き至極気が知れない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「とんだ」の意味・読み・例文・類語

とん‐だ

  1. ( 常識をはずれるの意の「飛ぶ」から )
  2. [ 1 ] 〘 連体詞 〙
    1. 思いがけないさま、普通一般とかけはなれて変わっているさまを表わす。あきれたり、びっくりしたりする気持を込めて用いることが多い。とんでもない。ひどい。
      1. [初出の実例]「ひょっと出る蛙の哥やとんた作〈永治〉」(出典:俳諧・伊勢俳諧新発句帳(1659)春)
      2. 「ヤレヤレヤレとんだ男が有る物だ」(出典:浄瑠璃・神霊矢口渡(1770)四)
    2. ( 逆説的ないい方で ) すばらしい。
      1. [初出の実例]「さのみ飛(ト)んだ趣向もなく」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)三)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙 思いがけないという気持を込めながら、下の記述を強調することば。たいへんに。ひどく。
    1. [初出の実例]「色男どふだ。とんださへないじゃないか」(出典:洒落本・遊子方言(1770)更の体)
    2. 「おかめさんとんださむいねエ」(出典:洒落本・猫謝羅子(1799))

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