(読み)セン

デジタル大辞泉 「洗」の意味・読み・例文・類語

せん【洗】[漢字項目]

[音]セン(呉)(漢) [訓]あらう
学習漢字]6年
汚れをあらい清める。「洗剤洗浄洗濯洗面洗練水洗
顔や物をあらう器。「杯洗筆洗
[名のり]きよ・よし
[難読]御手洗みたらし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「洗」の意味・読み・例文・類語

あらいあらひ【洗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あらう(洗)」の連用形名詞化 )
  2. 洗うこと。洗濯。
    1. [初出の実例]「親のもとに、きぬをなむあらひにおこせたりけるを」(出典:大和物語(947‐957頃)二七)
    2. 「写真は洗いがわるいせいか、縁が黄色く変色している」(出典:母なるもの(1969)〈遠藤周作〉)
  3. ( 「洗魚」「洗膾」などの字も当てる ) 夏の料理の一種。コイ、タイなどの新鮮な肉を薄く切り、冷水または氷水で洗って縮ませたもの。酢みそ、わさびじょうゆなどで食べる。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「三都ともに洗ひと云あり。〈略〉あらひには鱸を好とす」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)二八)
  4. (かま)を洗い流すときに出る、底にこびりついていた飯。あらいながし。
    1. [初出の実例]「アライとは釜底の洗ひ流しにして飲(めし)のあざれたるを意味するものにして」(出典:最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉七)
  5. 溜池などから余った水を流してやる落とし口。はやくち。

あらわいあらはひ【洗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あらふ(洗)」の未然形に、助動詞「ふ」の付いたものの連用形の名詞化 ) 洗うこと。すすぎ。洗濯。
    1. [初出の実例]「山にすむあひだに、あらはひなどする人のなかりければ」(出典:大和物語(947‐957頃)二七)

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普及版 字通 「洗」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] セン
[字訓] あらう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は先(せん)。先は足のさき。それをあらうを洗という。〔説文〕十一上に「足を洒(あら)ふなり」とあり、卜文では、先の字の上に水滴を加えている形がある。盤中の水で趾(あし)(止)を洗うことを(せん)といい、爪切ることを+刀)といい、「(あら)ふ」「(そろ)ふ」の(前)はその意。古い時代には旅から帰ると、まず足を洗い清め、他の地で附著した邪気を祓う儀礼があった。杜甫の〔彭衙(ほうが)行〕に、「湯を煖めて我が足を(あら)ひ 紙を剪(き)りて我が魂を招く」とあって、魂振りの古俗を伝えている。

[訓義]
1. あらう、足の指先を洗う、あらいおとす。
2. きよめる、あざやか、いさぎよい。
3. こぼし、たらい

[古辞書の訓]
名義抄〕洗 アラフ・スマス・ヲサム・キヨシ・ウスシ

[語系]
洗・洒synは同声。〔説文〕十一上に「洒は滌(あら)ふなり」とあり、滌は修、みそぎをすることである。

[熟語]
洗胃洗熨・洗・洗洗刮・洗肝洗眼洗潔・洗悟・洗甲洗刷・洗耳・洗児洗爵・洗城・洗浄・洗心洗塵・洗石・洗雪・洗然洗足・洗汰・洗貸・洗濯・洗脱・洗剔洗滌洗腆洗盪・洗抜・洗兵洗沐・洗目・洗浴・洗練・洗洗錬
[下接語]
一洗・澣洗・盥洗姑洗・刷洗・浄洗・水洗・設洗・雪洗・洗・澡洗・濯洗・滌洗・杯洗・筆洗・兵洗・磨洗・沐洗・沃洗

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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