玉梓(読み)タマズサ

デジタル大辞泉 「玉梓」の意味・読み・例文・類語

たまずさ〔たまづさ〕【玉×梓/玉章】

《「たまあずさ」の音変化。4原義
手紙消息
「御なつかしき―とる手おそしと」〈蘆花不如帰
巻いた手紙の中ほどをひねり結んだもの。ひねり文。結び文。多く艶書えんしょにいう。
種子の形が結び文に似ているところから》カラスウリ別名
《古く便りを伝える使者あずさの杖を持っていたところから》使者。使い。
何時いつしかと待つらむいもに―のことだに告げずにし君かも」〈・四四五〉
[類語]手紙書簡書信書状書面紙面信書私信私書しょ一書手書親書手簡書札しょさつ尺牘せきとく書牘しょとく雁書がんしょ雁信がんしん消息便りふみレター封書はがき絵はがき郵便

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精選版 日本国語大辞典 「玉梓」の意味・読み・例文・類語

たま‐ずさ‥づさ【玉梓・玉章】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たまあずさ」の変化した語 )
  2. 便りを運ぶ使者の持つ梓(あずさ)の杖。転じて、その杖を持つ人。使者。
    1. [初出の実例]「こもりくの 泊瀬の山に 神さびに いつきいますと 玉梓(たまづさ)の 人そ言ひつる」(出典:万葉集(8C後)三・四二〇)
  3. ( 転じて ) 手紙。書簡。便り。文章。ぎょくしょう。
    1. [初出の実例]「秋風にはつかりがねぞきこゆなるたがたまづさをかけてきつらん〈紀友則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・二〇七)
    2. 「書置きし君が玉章(タマヅサ)身に副へて」(出典:太平記(14C後)四)
  4. 手紙の真中を捻(ひね)り結んだもの。多く恋文にいう。
    1. [初出の実例]「日比秘蔵の猫の首玉に、こがるるとの玉章(タマヅサ)をむすび付おこしけるを」(出典:評判記・役者二挺三味線(1702)江戸)
  5. ( 形が結び文に似ているところから ) カラスウリの種子。〔料理物語(1643)〕
  6. ( から転じて ) 植物からすうり(烏瓜)」の異名。《 季語・秋 》 〔俳諧・増山の井(1663)〕

玉梓の補助注記

については梓(あずさ)の美称とする説もある。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「玉梓」の解説

玉梓 (タマズサ)

植物。ウリ科のつる性多年草,園芸植物,薬用植物。カラスウリの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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