略する(読み)リャクスル

デジタル大辞泉 「略する」の意味・読み・例文・類語

りゃく・する【略する】

[動サ変][文]りゃく・す[サ変]
全体のうち一部分をはぶく。また、一部をはぶいて簡単にする。省略する。「いちいちの説明は―・する」「敬称を―・する」
かすめとる。うばう。攻略する。「財物を―・する」「隣国の地を―・する」
[類語]省略略す省く間引く前略中略後略上略下略割愛省筆はしょる約する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「略する」の意味・読み・例文・類語

りゃく‐・する【略】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]りゃく・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 省く。省略する。簡単にする。りゃくす。
    1. [初出の実例]「呂〈略〉五常楽、兼人々云、未昏黒、何被略哉」(出典玉葉和歌集‐仁安二年(1167)正月二八日)
    2. 「然ども此曲に不吉の声有とて、一手を略(リャク)せる所あり」(出典:太平記(14C後)一三)
  3. かどわかす。かどわす。誘拐する。
    1. [初出の実例]「略人。受財枉法者、不此律」(出典:律(718)名例)
  4. かすめとる。攻めとる。攻略する。
    1. [初出の実例]「安芸国被畧為奴婢者二百余人」(出典:続日本紀‐大宝三年(703)三月戊午)
    2. 「其勢已に三千余騎、京を縮め地を略(リャク)して勢近国に振ひ候也」(出典:太平記(14C後)七)

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