端的(読み)たんてき

精選版 日本国語大辞典 「端的」の意味・読み・例文・類語

たん‐てき【端的】

[1] 〘形動〙
① まのあたりに明白であるさま。効果や結果がすばやく表われるさま。てきめん。
※正法眼蔵(1231‐53)画餠「現成のとき、現現あひ接することなく現成すべし、これ祖宗の端的なり」
※浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五「彼山伏をめされ、此度の行力たんてきなる所殊勝千万にそんずると」 〔水滸伝‐第一回〕
② ほとんど時間をおかずに起こるさま。途端。すぐ。
※老のすさみ(1479)「荒野のはげしき風に吹きおどろかされたる端的、今まで古郷と思ひしは、ただ野に吹く風のやどりなりけりと」
要点だけをとらえているさま。てっとりばやく急所をつくさま。
※どぜう地獄(1924)〈岡本一平〉二一「洽(あまねく)柔きものに抱かれたき青春の慾望、端的(タンテキ)には身を引裂き度い程の強き凝りとなって終日終夜予の肉体を悶えさせる性慾」
[2] 〘名〙 (「端」は正、「的」は実の意) 仏語。真実。第一義。ものがありのままであることなどにいう。
※道元大和尚仮名法語(1250)機関「如何是仏祖端的の心と問へば」

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デジタル大辞泉 「端的」の意味・読み・例文・類語

たん‐てき【端的】

[形動]
はっきりとしているさま。明白。「不満の端的な現れ」
まのあたりに起こるさま。たちどころであるさま。「端的な効果を示す」
てっとりばやく要点だけをとらえるさま。「端的に言う」
[名]《「端」は正、「的」は実の意》正しいこと。真実。
「―を知らんと欲せば」〈沙石集・一〇〉
[類語]明快平明簡明明晰明白明瞭明明白白はっきりくっきりありありまざまざしか明らかきわやか定かさやか鮮やか生生しい見え見え丸見えめっきり浮き彫りクリア鮮明分明顕著顕然歴然歴歴瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然画然かくぜん截然せつぜん明確明解自明彷彿鮮烈一目瞭然火を見るよりも明らか手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない目に見える言わずと知れたまぎれもない見るから

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普及版 字通 「端的」の読み・字形・画数・意味

【端的】たんてき

はたして。たしかに。唐・李中〔紹明上人の陵に之(ゆ)くを送る〕詩 回、端なりや否や 千里、路悠悠たり

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