納戸色(読み)ナンドイロ

デジタル大辞泉 「納戸色」の意味・読み・例文・類語

なんど‐いろ【納戸色】

藍染め一つで、緑色を帯びた青色。江戸城内の、納戸垂れ幕ふろしきに用いられた。お納戸色。
[類語]真っ青青色せいしょくあい青藍せいらん紺青こんじょう紺碧こんぺき群青ぐんじょう瑠璃るりはなだ花色露草色浅葱あさぎ水色空色ブルーインジゴコバルトシアンウルトラマリンマリンブルースカイブルーターコイズブルー

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精選版 日本国語大辞典 「納戸色」の意味・読み・例文・類語

なんど‐いろ【納戸色】

  1. 〘 名詞 〙 鼠色がかった藍色。おなんどいろ。納戸。
    1. [初出の実例]「其真中の六畳許りの場所は冴えぬ色のタペストリで蔽はれて居る。地は納戸色」(出典:倫敦塔(1905)〈夏目漱石〉)

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色名がわかる辞典 「納戸色」の解説

なんどいろ【納戸色】

色名の一つ。御納戸色ともいう。JISの色彩規格では「つよいみの」としている。一般に、あいの鈍い青の伝統色のこと。江戸時代、奢侈しゃし禁止令により染色の色が制限されたなかで茶色系統、鼠色系統、納戸色を含む紺色系統は許されたとされるほど、ポピュラーな色であった。納戸とは屋内に設けられた収納部屋のことで、衣類調度、家具、寝具などを入れておいた。寝室として使用することもあった。色名の由来は「納戸の暗がりの色」「城の納戸に掛けた垂れ幕の色」など諸説あり、はっきりしない。錆納戸さびなんど藤納戸ふじなんどなどのほか、多くの派生した色がある。現代でも和服の色として根強い人気がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「納戸色」の意味・わかりやすい解説

納戸色
なんどいろ

色名。「おなんど」ともいい、暗い藍(あい)色。江戸時代、幕府の納戸(物入れ)に使われた垂れ幕の色から名づけられたとされている。納戸色に紫みを帯びたものを藤(ふじ)納戸とか桔梗(ききょう)納戸、赤黒みがあるものを鉄納戸、くすんだ色のものを錆(さび)納戸とよんだ。

[高田倭男]

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