(読み)ヒ

デジタル大辞泉 「肥」の意味・読み・例文・類語

ひ【肥】[漢字項目]

[音](漢) [訓]こえる こえ こやす こやし
学習漢字]5年
〈ヒ〉
からだに脂肪がついて太る。「肥厚肥大肥満
土地に作物を育てる養分が多い。「肥土肥沃ひよく
作物を育てるため土地に加える物質。こやし。「肥料魚肥金肥施肥堆肥たいひ追肥緑肥
国。「肥後肥州肥前
〈こえ(ごえ)〉「寒肥かんごえ下肥しもごえ基肥もとごえ
[名のり]うま・とみ・とも・みつ・ゆたか

こえ【肥】

こやし。肥料。また、肥料として利用する糞尿ふんにょう下肥しもごえ。「畑にをやる」
[類語]肥料肥やし堆肥基肥もとごえ追い肥追肥寒肥かんごえ寒肥やし

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精選版 日本国語大辞典 「肥」の意味・読み・例文・類語

こえ【肥】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こえる(肥)」の連用形名詞化 ) 土地の養分を豊かにし、作物の生育を促進する目的で田畑にほどこすもの。下肥(しもごえ)、堆肥などをいい、また、人間のそれを用いたことより、人の糞尿をさしていう。こやし。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「昼かけて雨とかはれる白雪の原のをちこち肥料(コエ)運ぶ見ゆ」(出典:朝の歌(1916)〈若山牧水〉残雪行)

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普及版 字通 「肥」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音]
[字訓] こえる・ゆたか・さかん

[説文解字]

[字形] 会意
(肉)+(せつ)。は人の坐する形。そのとき下体の肥肉が著しくあらわれることをいう。〔説文〕四下に「多なり」とし、会意とする。また「多なるべからず。故にに從ふ」とし、(節)の意とする。は坐して(もも)のあたりの肉のゆたかなさまを示す形で、沐浴のため盤中に坐する形は盈(えい)、また中に祈る姿を宛(えん)という。(こ)・はみなその象形。・巴(は)などもその象形である。

[訓義]
1. こえる、ふとる。
2. ゆたか、みちる、あつい。
3. さかん。

[古辞書の訓]
名義抄〕肥 コユ・コエタリ・コマカ・タノシビ

[声系]
〔説文〕に肥声として(ふつ)など三字を収める。は麻(まし)の実。また(ひ)声に従う。にも大きく美しい意がある。

[語系]
肥biuiはbiun、孛・勃but、否piuと声近く、みな肥大の意がある。否は花の子房胚胎(はいたい)する象。孛(はい)・勃(ぼつ)は実の入りかけ、は外に然(ひぜん)としてあらわれることをいう。

[熟語]
肥衍・肥甘肥豢・肥牛・肥強肥勁・肥軽・肥潔肥胡・肥壺肥佼・肥厚・肥項・肥肥磽肥豕・肥・肥醜・肥充肥壌・肥醸肥饒肥牲・肥盛・肥・肥肥碩肥瘠肥鮮・肥・肥壮・肥・肥大・肥沢・肥張肥甜肥田・肥土肥遯・肥・肥肥嫩・肥肉・肥馬・肥笨・肥満・肥腴・肥沃・肥料
[下接語]
肥・下肥・甘肥・基肥・牛肥・魚肥・軽肥・膏肥・肥・蚕肥・熟肥・乗肥・人肥・施肥・鮮肥・堆肥・痴肥・珍肥・土肥・肥・軟肥・豊肥

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