① 甲殻類十脚目短尾下目に属する節足動物の総称。体は一枚の甲羅(こうら)でおおわれた頭胸部と縮小した腹部からなっている。腹部は普通七節あるが、筋肉が退化していて運動器官としては役に立たない。しかし、雌はこの内側に卵を抱いて保護する。五対の脚のうちの第一脚は、はさみになっていて餌をとったり攻撃などに役立つ。多くの種類が横這いで運動する。卵は雌の腹部に付着して発生がすすみ、ゾエア幼生になって卵から孵化(ふか)し、浮遊生活をしながらメガロパを経て幼ガニになる。脱皮のたびに成長する。ほとんどが海産で、純淡水産のものは日本ではサワガニただ一種である。日本特産のタカアシガニは世界最大のカニで、はさみ脚を開いた両脚の長さが三メートル以上になる。世界に約五〇〇〇種がいて、日本にはそのうちの約一〇〇〇種ほどがすむ。ガザミ、ケガニ、ズワイガニなど水産資源として重要なものが多い。かね。横行介士。《 季語・夏 》