長歌・長唄(読み)ながうた

精選版 日本国語大辞典 「長歌・長唄」の意味・読み・例文・類語

なが‐うた【長歌・長唄】

〘名〙
和歌の一体。五音、七音の二句を三回以上続け、最後に七音を添えるもの。ちょうか。
古今(905‐914)雑体・一〇〇二・詞書「ふるうたたてまつりし時のもくろくのそのなかうた」
短歌のこと。ちょうか。
古来風体抄(1197)上「三十一字の歌は、詠ずるにながく詠ぜらるるなり。よりて詠のこゑにつきて、短歌といひ、ながうたとも申なるべし」
上方唄の一種。古典的な組歌の次に創始された三味線歌曲。七五調、七七調を主とし、三味線組歌と違い、歌詞は既存の小編の組み合わせでなく、また、三味線を唄の伴奏とする曲風に改めた。
歌謡・松の葉(1703)序「よりよりかの本手、端手、長哥(ナガウタ)、端哥、吾妻浄瑠璃、新曲の唱哥を艸書し」
④ (長唄) 江戸歌舞伎の舞踊曲として発達した三味線音楽。元祿一六八八‐一七〇四)頃に始まり、享保(一七一六‐三六)頃から上方唄の影響を受けて確立した。杵屋と称する三味線の家を中心に発達し、豊後節系統の浄瑠璃(常磐津・清元・新内など)や大薩摩節などを取り入れて多様な音楽となり、さらに文政(一八一八‐三〇)頃から劇場を離れたお座敷長唄を案出した。今日なお、劇場、宴席家庭で広く行なわれる。
随筆・むかしむかし物語(1732頃)「長歌海道下りといふ事を造りて唄ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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