雪洞(読み)せつどう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

雪洞(せつどう)
せつどう

雪の洞穴、または雪に穴を掘って住むこと。世界の多雪地で冬期の貯蔵庫など各種の用途で利用され、秋田県の「かまくら」などもこの変型といえよう。登山の中露営の方法としては1929年、ドイツ隊がカンチェンジュンガ登山に用いたのが初めといわれる。テントなしで装備も軽量で行動できることから、単に避難用、倉庫用などだけでなく、積極的に雪洞イグルーを前進基地として利用する前提で登山計画をたてることも少なくない。
 積雪が豊富で、雪崩(なだれ)の危険のない斜面に穴を掘るわけだが、数人が生活できるような空間をつくりだすためには、かなりの労働量と熟練が必要である。したがって雪洞の製作は冬山登山のたいせつな技術の一つである。天候によっては、天井が沈下したり、風雪で入口が埋没したりすることもある。洞内の換気にはとくに注意が必要で、炊事などによる酸素の消費を、換気を完全にすることで防がなくてはならない。[徳久球雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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