(読み)ガン

デジタル大辞泉 「願」の意味・読み・例文・類語

がん【願】[漢字項目]

[音]ガン(グヮン)(呉) [訓]ねがう
学習漢字]4年
請い求める。ねがい。「願書願望哀願依願懇願志願出願請願嘆願念願
神仏に祈り求める。「願文がんもん願力がんりき祈願結願けちがん誓願大願発願ほつがん満願

がん〔グワン〕【願】

神仏に祈願すること。また、その祈願。

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精選版 日本国語大辞典 「願」の意味・読み・例文・類語

ねがいねがひ【願】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ねがう(願)」の連用形の名詞化 )
  2. 神仏に祈り願うこと。また、その事柄。願(がん)。祈願。
    1. [初出の実例]「ただしばし、ねかひの所を隔たれるを思ふなん、いとくやしき」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
  3. 極楽往生を求めること。
    1. [初出の実例]「尼寺に懸けこみ、願(ネガ)ひの道に入ぬ」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)六)
  4. こうあってほしいと望み願うこと。また、その内容。希望。期待。
    1. [初出の実例]「慕(ネカヒ)を懐きて遍く殊の方に歴(へ)」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
  5. 役所などに願い出ること。また、その願書。
    1. [初出の実例]「武士の立身振り捨て、虚病を構へねがひをあげ」(出典:浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)上)

がんグヮン【願】

  1. 〘 名詞 〙 願うこと。特に、神仏に祈り、願うこと。また、その内容。願い。
    1. [初出の実例]「天随其願果擢求法」(出典:性霊集‐序(835頃))
    2. 「多く立てつる願の力なるべし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
    3. [その他の文献]〔史記‐蔡沢伝〕

ねがわねがはし【願】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙ねがわしい(願)

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普及版 字通 「願」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 19画

[字音] ガン(グヮン)
[字訓] ねがう・おもう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は原(げん)。〔説文九上に「大頭なり」とあり、頑に「頭(こんとう)なり」というのと似ているが、その義の用例をみない。〔爾雅、釈詁〕に「思ふなり」とあり、〔詩〕には〔風、野有草〕「我が願ひに(かな)へり」、〔風、二子乗舟〕「願(おも)うて言(ここ)に子を思ふ」のような用法がある。

[訓義]
1. ねがう、のぞむ。
2. おもう。
3. いえども。
4. 大頭。

[古辞書の訓]
名義抄〕願 ネガフ・オモフ 〔字鏡集〕願 オモヒミル・オモフ・ネガフ

[熟語]
願言・願望・願欲
[下接語]
哀願・盈願・懐願・祈願・冀願・欣願・結願・弘願・懇願・至願・志願・私願・始願宿願・所願・情願・心願・誓願・請願・素願・訴願・大願・嘆願・適願・念願・発願悲願・本願・満願・余願

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百科事典マイペディア 「願」の意味・わかりやすい解説

願【がん】

誓願とも。仏教の重要な概念の一つ。心に期する目的の実現を願い求めること。衆生(しゅじょう)は願をたてることが信仰の前提となる。仏は菩薩のとき衆生を救わんとして願をたて,その願の成就のために行(ぎょう)をする(願行具足)。阿弥陀仏四十八願など。→願掛け
→関連項目他力報身

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「願」の意味・わかりやすい解説


がん

仏教用語。衆生が悟りを得るため,修行にあたって願を立てるということから,所期の目的を完成しようと願い求めて決意すること。願の内容を願事,願を起す本人を願主 (がんしゅ) という。 (→誓願 , 本願 )

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