デジタル大辞泉
「包」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
くる・める【包】
〘他マ下一〙 くる・む 〘他マ下二〙
②
一つにまとめる。ひとまとめにくくる。いっしょにする。ひっくるめる。〔文明本節用集(室町中)〕
③ 巧みにあざむく。
籠絡(ろうらく)する。いいくるめる。ごまかす。
くる・む【包】
[1] 〘他マ五(四)〙 巻くようにして、中につつみこむ。つつみ巻く。つつむ。
※
御伽草子・源蔵人物語(室町時代物語集所収)(室町末)「ふくさのものに、うつくしきひめぎみをくるみて、とめをきたるをみて」
くくみ【包】
〘名〙 (動詞「くくむ(包)」の連用形の名詞化) つつむこと。また、つつんだもの。つつみ。
※
玉葉‐文治三年(1187)一一月八日「跪
二屏風下
一取
二鎮子
一、二枚左手、二枚右手、各了てくくみに持
レ之」
くるま・る【包】
〘自ラ五(四)〙 すっぽりと包まれる。
※御伽草子・源蔵人物語(室町時代物語集所収)(室町末)「いまだ、ちにくるまりたる、
姫君に仰けるは」
※秋立つまで(1930)〈
嘉村礒多〉「私は掻巻き代りの古マントにくるまり」
ぐるめ【包】
〘接尾〙 (動詞「くるめる(包)」の連用形から) =
ぐるみ※
浄瑠璃・心中天の
網島(1720)上「侍ぐるめに小はる殿もらふた」
くく・む【包】
〘他マ四〙 大切につつむ。くるむ。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「生まれ給へる君をいと清くのごひて、御ほぞのを切りて、此のはかまにおしくくみて、かき抱き給ふ」
パオ【包】
〘名〙 (中国語から) アジア遊牧民の天幕式家屋。
支柱を用いずに、湾曲した梁を組み合わせて、その上をフェルトで覆ったもの。
分解・組立てが簡単で
移動に適している。ゲル。〔シベリヤ物語(1950‐54)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
包
ほう
苞とも書き、包葉(苞葉)ともいう。小包、総包片などを総括する広い意味に用いられることもあるが、普通、花序において腋(えき)に1個の花をつける葉的器官をさす。その腋花の花柄に葉的器官がついたとき、これを小包とよぶ。包は普通葉(茎葉)に比べて小さく、しばしば無柄となる。したがって、形も簡単になり、分裂や欠刻も浅くなるが、キンポウゲ属などでは逆に分裂が深くなることもある。花序のまとまりが弱ければ、普通葉は連続的に包に移行するが、花序がよくまとまっていれば、包は明らかに普通葉と区別され、極端な場合には退化、消失する。ブーゲンビレアなどでは包が大きく発達して着色し、花を包む。
[田村道夫]
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