黒い(読み)クロイ

デジタル大辞泉 「黒い」の意味・読み・例文・類語

くろ・い【黒い】

[形][文]くろ・し[ク]
墨のような色をしている。「―・い色の服」
黒みがかっている。黒に近い色である。「日に焼けて―・い顔」「冬の―・い海」
汚れて黒ずんでいる。きたない。「―・く手あかのついた辞書
犯罪・不正の疑いが強い。「―・いうわさが絶えない人」
心がよこしまである。邪悪である。「腹の―・い男」
不吉である。「―・い死の影」
その道に熟練している。くろうとである。
「大道売りの砂糖漬常住じゃうぢゅうなめつけて居やぁがるから、言語は―・いもんだ」〈滑・浮世床・初〉
[派生]くろげ[形動]くろさ[名]
[下接語]おも黒い真っ黒い(ぐろい)青黒い赤黒い浅黒い薄黒いか黒いどす黒い腹黒い
[類語]か黒い黒っぽい漆黒黒黒黒ずむどす黒い浅黒い色黒真っ黒け真っ黒い真っ黒黒み黒色こくしょく墨色赤黒い青黒い黒む純黒直黒ひたぐろ鉄色煤色すすいろ烏羽からすばからすの濡れ羽色がんぐろ薄黒い黒変黒ばむ真っ暗暗闇真っ暗闇暗黒ブラックダーク

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「黒い」の意味・読み・例文・類語

くろ・い【黒】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]くろ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 黒の色をしている。墨の色である。
    1. [初出の実例]「ぬばたまの 久路岐(クロキ)御衣(みけし)を ま具(つぶさ)に 取り装(よそ)ひ」(出典古事記(712)上・歌謡)
  3. 濃い紫、にびいろなどの黒っぽく暗い感じのする色である。
    1. [初出の実例]「御手の綾の単衣のくろきよりさしいで給へる、いと美しげにおはす」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  4. 肌が日に焼けている色である。
    1. [初出の実例]「都にありながら、此歌をいださむ事念なしと思て、人にもしられず久しく籠り居て、色をくろく日にあたりなして後」(出典:古今著聞集(1254)五)
  5. きたない。よごれている。
    1. [初出の実例]「年老いたる法師召し出されて、くろくきたなき身を肩抜ぎて、目もあてられずすぢりたるを」(出典:徒然草(1331頃)一七五)
  6. 悪心があって公明でない。悪い。腹黒い。
    1. [初出の実例]「昨日今日入学して、くろしあかしのさとりなきが」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
  7. その道に老練である。くろうとである。
    1. [初出の実例]「お前方は素人(しらうと)慮外ながら文学の友三というて、ずんと黒い男」(出典:浄瑠璃・奥州安達原(1762)一)
  8. (いき)である。また、人情に通じてものわかりがよい。
    1. [初出の実例]「大黒の文字は大きに黒い、おれを粋ぢゃといふ心、趣向どふもいへぬ」(出典:浄瑠璃・太平記菊水之巻(1759)三)
  9. 犯罪の疑いが濃厚である。
    1. [初出の実例]「二人一緒に縄縛(から)げ、知県所(だいくゎんしょ)へ引き摺り出し、白いか黒いか分けやせう」(出典:人情本・恋の花染(1832‐34)初)
  10. 「くろきち(黒吉)」の位である。
    1. [初出の実例]「黒ひ 役者評判記より出たり。吉の事也」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))

黒いの派生語

くろ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

黒いの派生語

くろ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

黒いの派生語

くろ‐み
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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