デジタル大辞泉
「手合」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
て‐あい ‥あひ【手合】
〘名〙 (「てやい」とも)
① 勝負をすること。手合わせ。
※
曾我物語(南北朝頃)一「彌七は、力おとりなれども、てあひはましてぞ見えにける」
② 囲碁・将棋で、対局すること。
※
俳諧・新続犬筑波集(1660)九「中なをりする事のうれしさ みつの棊もいまはふたつの手あひにて〈
いさく〉」
③ 競技や
勝負事などで、技
(わざ)。力。うでまえ。
※天理本狂言・鼻取
相撲(室町末‐近世初)「てあひがみたひほどに、一番とらう」
④ いっしょに物事をする相手。てごろな相手。仲間。
※浮世草子・好色一代男(1682)五「此所にても口きく程の若き人、新町に手あひを拵へ」
⑤ そのような人。そのようなやつ。また、者ども。やつら。多くは、軽い軽蔑の意をこめていう語。
※談義本・八景聞取法問(1754)一「今来た手合(アヒ)は女でも少々宛用(もち)いがある」
※浮世草子・好色盛衰記(1688)四「宿の
不首尾を気づかひ、床より飛出、かねて手あひのはや駕籠」
⑦ 種類。たぐい。
⑧ 取引市場で、
相場の
見込があたること。また、相場の見込。おもわく。
※
洒落本・秘事真告(1757頃)
曾根崎新地の相「手合
(てアイ)のうはさ、思ひ入れを互に言ひ合ひ」
て‐あわせ ‥あはせ【手合】
〘名〙
① 相手となって勝負をすること。また、その勝負。相撲などの競技や勝負事、または合戦などの勝負を決すること。
※権記‐長保二年(1000)八月一二日「此日臨時相撲〈略〉手合一両度之後、文時申レ障被レ免」
※洒落本・禁現大福帳(1755)二「折檻つのって果は手(テアハセ)の刃物ざんまい」
② はじめて勝負を争うこと。また、その勝負。
※
平家(13C前)一一「平家の一族追討のために上洛せしむる手あはせに、
木曾義仲を
誅戮の後」
③
剃刀(かみそり)の刃などをみがくために、てのひらにこすりあわせること。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※
歌謡・松の葉(1703)四・元服曾我「
櫛笥のまゆだれてあはせし、いとも静かに梳きおろす」
④ 薬などを自分の手で調合すること。
※御湯殿上日記‐大永七年(1527)三月一〇日「しやうれん院殿より、御たき物御てうかうのこと申されて、くろほう、侍従、御てあはせにてまいらせらるる」
⑤ 売買の契約をすること。手を打つこと。
※浄瑠璃・天神記(1714)二「唐土の夷国に随はんとの一味、契約の手合せに」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報