カレー(英語表記)Calais

翻訳|Calais

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カレー
Calais

フランス北部,パドカレー県北部のドーバー海峡 (カレー海峡) にのぞむ港湾都市。海峡対岸のドーバーまで 34kmで,イギリスへ最短の都市である。中世初期には南西方 15kmにあるウィッサン港が利用され,カレーは小漁港にすぎなかった。 12世紀頃からウィッサンに代って発展,1224年ブーローニュ伯により要塞化された。 1347年イングランド王エドワード3世は 11ヵ月にわたる包囲ののち同港を占領,1558年までイギリスの領有が続いた。その後一時スペイン領となり,1598年フランスに復帰した。フランス北部の港として発展したのは鉄道,運河,道路など後背地との連絡が確立された 19世紀に入ってからである。貨物港としては木材,石炭など年間約 100万tの荷扱いにとどまる地方港で,競合するブーローニュシュルメール港には及ばないが,旅客数ではブーローニュシュルメール港を大きく上回る。工業はレース,チュールの機械織り,刺繍が有名で,全世界に輸出されている。ほかに食品,機械,化学の工業などがある。要塞 (1560) ,市庁舎広場のロダンの傑作『カレーの市民』像 (1884~86) ,旧見張り塔 (13世紀) ,ノートルダム聖堂 (14~16世紀) ,さらに 7kmに及ぶ海水浴場などがあり,観光都市としても重要。人口7万 5836 (1990) 。

カレー
curry

粉末状の香辛料を混ぜ合わせて風味をつけたソース,あるいはそれを使った料理。起源はインドとされ,今日では世界に広がった。タミル語の kari(ソース,たれの意)に由来する。インドカレーの多くは,タマネギショウガニンニクを混ぜたものに,カルダモンシナモンチョウジクローブ),コエンドロ(コリアンダー),クミン,ウイキョウ(フェンネル)の種,フェヌグリーク,芥子(マスタード。→カラシナ),黒コショウ(→コショウ),トウガラシウコンターメリック)などの香辛料を加えてつくられる。カレーリーフ,チリ,ナツメグ,メース(ナツメグの仮種皮),ケシの実,ハッカクの実(スターアニス。→シキミ科),ローレル(ゲッケイジュの葉)を加えることもある。これらをあらかじめ調合したカレー粉は,インドを植民地支配していたイギリス人によって流通した。日本には明治以後輸入され,カレー粉と小麦粉をバターで炒めてスープで伸ばしたものの中に肉や野菜を加え調味し,それを熱い飯にかけるカレーライスとして広まった。
インドでは香辛料を調合した粉末状の調味料をマサラ masalaと呼ぶ。水や酢などを加えたペーストもある。菜食主義者の多い南インドのカレーは,サンバールポディ sambar podiと呼ばれる混合調味料で味つけされ,チリが含まれていて非常に辛い。対照的に,北インドの代表的な調味料であるガラムマサラ garam masalaは生のカルダモンの種,シナモン,クローブ,黒コショウのみでつくられ,辛味を避けている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

カレー

インド周辺で生まれ、18世紀にイギリスに伝わった。日本には明治初期に伝来大塚食品が1968年に世界初の家庭用レトルト食品「ボンカレー」を発売するなど、カレーライスとして独自に進化する。家庭用のルウやレトルトだけでも、市場規模は年間で1千億円強(推計)。壱番屋の08年5月期の店舗売上高は682億円。

(2009-05-31 朝日新聞 朝刊 東海経済)

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デジタル大辞泉の解説

カレー(Calais)

フランス北部の港湾都市。ドーバー海峡(カレー海峡)に臨み、英国のドーバーとの連絡港およびユーロトンネルの基地。レース・リンネルなどの織物を特産

カレー(curry)

カレー粉のこと。またはカレーライスのソースのこと。
カレーライス」の略。「ビーフカレー」
[補説]語源はタミール語のkariで、ソースの意。

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百科事典マイペディアの解説

カレー

フランス北部,パ・ド・カレー県の,ドーバー海峡に臨む港市。英国への重要な連絡港。レース,刺繍(ししゅう)製品などの産があり,食品加工・機械・化学工業が行われる。ニシンタラ,サバ漁業の根拠地。1347年市民の英雄的抵抗ののち英領(ロダンの彫刻《カレーの市民》で知られる),1558年奪回。第2次大戦で旧市街はほとんど全滅した。7万5309人,都市圏人口10万人以上(1990)。

カレー

インドを中心に中近東から東南アジア一帯で用いられる混合香辛料。またそれで味つけした料理をいう。カレーは南方インドのタミル語で〈スープの具〉を意味するカリが語源とされる。アニス,ウコン,コショウ,メース,トウガラシ,ナツメグ,ニッケイ,カルダモン,オールスパイス等が混合されたもので,食欲増進,消化促進などの効果もある。各家庭で石臼ですりつぶして適宜混合するが,最近ではインドでも既製品のカレー粉が出回っている。カレーライスのほか,煮物,ソースなど料理に広く使われる。→インド料理

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栄養・生化学辞典の解説

カレー

 カレー粉で調理した料理を広くいうが,カレーライスをいうことが多い.

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

カレー【curry】

①数十種類の香辛料で作られる混合香辛料。辛みづけにとうがらし・黒こしょう、香りづけにコリアンダー・クミン、黄色の着色にターメリックなどが配合される。◇「カレー粉」ともいう。
②①を用いて作られる料理。特にカレーライスのソース。⇒カレーライス
③「カレーライス」の略。
④インド料理で、種々の香辛料を用いた煮込み料理の総称。ナンチャパティと一緒に食べる。タイなど他のアジア諸国のものにも用いる。

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世界大百科事典 第2版の解説

カレー【Calais】

フランス北部,パ・ド・カレー県の港湾・工業都市。人口7万6000(1990)。ドーバー海峡に面するカレー港は利用客数においてフランス第1(年間250万人)であるが,隣県の港町ダンケルクとの競合という問題を抱えている。主要業種であるレース製造業はカレーの工業従事者の40%を抱え,フランスの機械織レースの4分の3を産する。カレーの企業の多くはイギリス系である。町は北と南に分かれ,古代ローマ時代からある北部は高級住宅地,商業地,港湾をもつ。

カレー【curry】

インドを中心として,中近東から東南アジア,さらに今日では広く世界各国で使用されている混合香辛料,またはその混合香辛料で味付けした料理のことをさす。カリーと呼ぶことも多い。南インドのタミル語やカンナダ語で〈スープの具〉を意味するカリが,料理の名前としてポルトガル語経由で英語に入り,やがて世界中に広まったとされる。インドでは何にでもこの混合香辛料を加えて味付けをするが,暑く湿気の多い地方では,食欲を増進し,消化を助け,殺菌効果をもち,発汗作用を高めるなど,実に自然の摂理にかなった調味料といえよう。

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大辞林 第三版の解説

カレー【curry】

淡黄色粉末の、非常に辛みのある香辛料。クミン・カルダモン・シナモン・生姜しようが・コエンドロ・黒胡椒・唐辛子・フェヌグリーク・ターメリックなど30~40種の香辛料を配合して作る。インドが主産地で、熱帯諸国で盛んに用いる。カレー粉。
を用いて作った料理。特に、カレーライスのソース。
カレーライスの略。

カレー【Calais】

フランスの北端、ドーバー海峡に臨む港湾都市。ユーロトンネルの入り口。レースやチュール織の特産で名高い。

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精選版 日本国語大辞典の解説

カレー

〘名〙 (curry)
① 黄茶色をした粉末の香辛料。薑黄(きょうおう)、胡椒(こしょう)、唐辛子、にんにく、茴香(ういきょう)、コリアンダーなどが原料。辛みと香りが強い。カレーライスやドライカレーなどに用いる。カレー粉。
※西洋料理通(1872)〈仮名垣魯文〉「カリーの粉」
② カレー粉を用いた料理。特に、カレーライスにかけるカレーソース。〔舶来語便覧(1912)〕
③ 「カレーライス」または「ライスカレー」の略。
※支那游記(1925)〈芥川龍之介〉上海游記「南京米のカリイを平げながら」

カレー

(Calais) フランス北部、ドーバー海峡に面する都市。イギリスからの最短距離にあり、百年戦争、第一次・第二次世界大戦の戦略拠点となった。レース、リンネルなどを産する。

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世界大百科事典内のカレーの言及

【インド料理】より

…しかし,〈インド料理〉としての共通性は香辛料の多用ということであろう。そしてこれら香辛料で味つけした料理をカレー料理と定義するならば,インド料理のほとんどはカレー料理ということになる。香辛料は釈迦が教えてくれたものという俗説があるが,事実相当古くから使われていたらしく,玄奘の記録にも残されているという。…

※「カレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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