デジタル大辞泉
「シャッター」の意味・読み・例文・類語
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シャッター
- 〘 名詞 〙 ( [英語] shutter )
- ① 金属製の巻き上げ式扉。よろい戸。
- [初出の実例]「『シャッター』の隙間から朝日がさし込んで」(出典:倫敦消息(1901)〈夏目漱石〉一)
- ② 写真機で、入射光線を必要な時間だけ感光材料に照射するための機構。レンズシャッター、フォーカルプレーンシャッター、電子シャッターなどがある。
- [初出の実例]「七八台の写真機シャッターを握ぎりて」(出典:風俗画報‐三三五号(1906)野津大将凱旋)
- ③ 映画撮影機・映写機で、フィルムの走行とともに回転して、フィルムを一こまずつ感光させたり、映写したりする機構。通常は一秒間に二四こまの速度。
- [初出の実例]「シャッターの回転数と蓄音機の円盤の回転数との関係を示した項式」(出典:星座(1922)〈有島武郎〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
シャッター
しゃったー
shutter
防火や防盗の目的で建物の出入口や窓などに取り付けられる鋼製の巻上げ戸で、成形されたスラットslat(細長い鉄板)をよろい戸状につづってつくられている。一般的に重量シャッターと軽量シャッターに大別され、ビルなどに使用する大型のものを重量シャッターとよんでいるが、これをJIS(ジス)(日本産業規格)ではスラットの板厚のサイズや構造によって、重量シャッター(JIS A4705)と軽量シャッター(JIS A4704)とに区分している。さらに用途によって、重量シャッターは管理用シャッター、外壁用防火シャッター、屋内用防火シャッター、防煙シャッターの4種類、軽量シャッターは管理用シャッター、外壁用防火シャッターの2種類に区分している。
防火シャッターは、建築基準法で耐火性能によって特定防火設備と防火設備とに区分されている。階段回りや吹抜けなどの竪穴(たてあな)区画には重量シャッターに遮煙機能を施した防煙シャッターが使用され、火災時にヒューズの溶解や煙感知器などと連動して自動降下する。開閉には電動と手動の方式がある。防火目的以外の管理用シャッターでは、商店・ガレージ・雨戸などに使用されるシャッターのほか、格子状のパイプシャッター、ケース内に巻き込まず天井面に格納するオーバーヘッドドアがある。
[吉田 稔]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
シャッター
shutter
光学器械に使われる光路開閉装置。カメラに組み込まれ,写真フィルムへの入射光路を開閉して必要な時間だけ露光(→露出)を行なう装置が,最も身近に利用されている例である。カメラのシャッターには,レンズの前に装着するローラブラインドシャッター,レンズの中に組み込まれているレンズシャッター,レンズのすぐ後ろに取り付けてあるビハインドシャッター,フィルムの直前に取り付けてあるフォーカルプレーンシャッターなど,さまざまなタイプがある。またデジタルカメラでは,フォーカルプレーンシャッターやレンズシャッターではなく,撮像素子で露光と非露光を制御する電子シャッターもある。この場合,従来型のフォーカルプレーンシャッターやレンズシャッターは,機械シャッター,あるいはメカシャッターと呼ばれる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
シャッター
フィルムへの露光時間を調節するための光路開閉装置。レンズ周辺に置かれたレンズシャッターと,フィルムの直前に置かれたフォーカルプレーンシャッターがある。フォーカルプレーンシャッターには,シャッター膜が横に移動する横走りと,数枚の羽根状のプレートが縦に連動して動くユニット式の縦走りとがある。古くはよろい戸式の縦走りのものもあった。非常に速いシャッタースピードを得るためには,膜または羽根状のプレートの作るスリット幅を調整して短い露光時間を得る必要がある。→電子シャッター
→関連項目カメラ
シャッター(建築)【シャッター】
戸の一種。細長い鋼板を水平に鎧(よろい)状につないだ巻上げ戸で,火災・盗難・騒音・光等を防ぐ。手動と電動があり,開口部両側の溝に従って上部の軸に巻きつけられる。
→関連項目建具
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
シャッター
フィルムに光を当てる時間を制御し、撮影時以外はレンズからの光を遮断する機構のこと。35mm一眼レフの場合、2枚のシャッター幕が縦または横に走るフォーカルプレーン方式が主流。フィルム一眼レフカメラなら、裏蓋を開けたときにファインダー下あたりに見える四角い部分がシャッター幕。 → 高速シャッター / 低速シャッター / レンズシャッター
出典 カメラマンWebカメラマン写真用語辞典について 情報
シャッター
鎧戸(よろいど)ともいい、何枚もの金属の板をすだれのようにつなぎあわせた建具の事。主に店舗や倉庫に使用され、外部と出入りできないよう防犯の役目となる。その他に、火災時の延焼を防ぐ役目や、防煙の役目もする。
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
シャッター【shutter】
防犯・防火などのために窓や出入り口に取り付ける、巻き上げ式の金属製のよろい戸。
出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内のシャッターの言及
【カメラ】より
…このころから野外で使用するフィールドカメラと室内専用のスタジオカメラの区別が生ずる。70年代以降乾板の発明,その高感度化に伴い,穴をあけた木や金属板を落下,あるいはばねなどで作動させるギロチンシャッターや,後述のフォーカルプレーンシャッター,レンズシャッターといった基本的なシャッター方式がすべて開発された。88年,G.イーストマンは紙をベースにしたロールフィルムを用いるボックスカメラ,コダックを発売,ロールフィルムが本格化するとともに,1912年,[イーストマン・コダック]社(略称コダック社)から発売されたベスト・ポケット・コダック(日本では単レンズ付きのものがいわゆる〈ベス単〉の愛称で親しまれた)は大量生産された最初のカメラで,世界的ベストセラーとなった。…
※「シャッター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」